「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-8[A] モンテディオ山形戦『ここから先の問題』(19.4.8)

『芋煮、食ってけや』2019.4.7

『芋煮、食ってけや』2019.4.7

2019年4月7日(日)
J2第8節 モンテディオ山形 vs 東京ヴェルディ
14:03キックオフ NDソフトスタジアム山形
[入場者数]5,959人 [天候]曇時々晴、弱風、気温14.7℃、湿度46%

山形 2‐1 東京V
前半:0‐1
後半:2‐0
[得点]
0‐1 小池純輝(44分)
1‐1 坂元達裕(60分)
1‐2 大槻周平(90分)

●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF2   若狭大志
DF3   近藤直也
DF5   平智広
DF24 奈良輪雄太
MF6   井上潮音(79分 コイッチ)
MF17 李栄直(64分 森田)
MF19 小池純輝
MF7   渡辺皓太
MF9   佐藤優平(67分 藤本)
FW11 林陵平
(ベンチメンバー:GK26鈴木智幸。DF23田村直也。MF4藤本寛也、8内田達也、16森田晃樹、38梶川諒太。FW27ネマニャ・コイッチ)

監督 ギャリー・ジョン・ホワイト

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■根底に流れるリズム、テンポ

なんだ、あの27番は――。モンテディオ山形のアタッカー、坂元達裕のプレーに唸らされっぱなしだった。メンバー表を見ると、東洋大出身、1996年生まれ。今季デビューした大卒ルーキーだ。

そう簡単には振り切られない奈良輪雄太が、ターン一発できれいにかわされた。ボールコントロールの正確さ、駆け引き上手に加え、競り合いにおける身体の当て方の巧さ、狭いところを割っていく一瞬の速さもある。

こんなんいたんかと思わぬ発見に恵まれるのはJ2の面白さだ。過去、大卒ルーキーから受けた衝撃度では、2011シーズン、当時水戸ホーリーホックの塩谷司(アル・アインFC)に匹敵する。

相手に感心している場合ではない。

3連戦の最後となる山形戦、東京ヴェルディは逆転負けを喫した。44分、林陵平のポストワークから小池純輝の見事なコントロールショットで先制したが、60分に坂元、終了間際の90分に大槻周平にゴールを許した。

結果は驚くには値しない。妥当とまでは言わないけれど、両者のサッカーを見比べれば、充分にあり得る結末だった。付け足しのようで恐縮だが、久しぶりに見た東京Vユース93年組の南秀仁はいい仕事をしていた。時間と空間のない切迫した状況でも落ち着き払い、最も効果的な一手を選び取れるアイスマン、健在である。

まるっと全部ダメだったかと言えば、そうではない。長く東京Vを見続けている人にはわかるだろう。このクラブには、時代が移り変わり、人が入れ替わっても、ずっと根底に流れているリズム、テンポがある。パススピードによる抑揚のつけ方がいまひとつ不細工ではあったが、それそれと感じ入る時間があった。

リズムを刻んだのは、前半、得点するまでの5分。後半が始まり同点に追いつかれるまでの15分。以降は途切れ途切れになり、やがて強い風に巻かれて聴こえなくなった。

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