【フットボール・ブレス・ユー】第39回 余白のホワイトを探して(19.4.24)
第39回 余白のホワイトを探して
Netflixで『サンダーランドこそ我が人生』というシリーズを観た。17‐18シーズン、プレミアリーグから降格し、チャンピオンシップ(2部)を戦うサンダーランドAFCを追ったオリジナル製作ドキュメンタリーだ。
本拠地はイングランド北東部のタイン・アンド・ウィア州に位置し、愛称はブラックキャッツ。同地域のニューカッスル・ユナイテッドとは長くライバル関係にある。
おそらく、復活のドラマを描きたかったと思われるが、ストーリーは思わぬ方向に展開する。金策がうまくいかず、補強の頓挫、主力の流出と失策だらけで、昇格どころか最下位でイングランドフットボールリーグ1(3部)に降格してしまった。
クラブ幹部の苦悩、喜怒哀楽をむき出しにする街の人々、カメラは深く分け入ってその生々しい内情を伝える。立場のある人ほどやたらと体裁ばかりを気にする日本では、まずお目にかかれない作品だ。
ラストシーンに差しかかったところで、サンダーランドの会長は言った。「この業界は続けていると辞めたくなり、辞めると始めたくなる」。どこか諦観まじりで、自分を突き放すような口調だった。いわゆる、病みつきってやつである。
僕は、これに東京ヴェルディを重ねはしなかったが、まるっきり他人事とも思えなかった。現在、サンダーランドは3部でも14位に沈む。
第10節を終えて、東京Vは勝点10の18位。思ったより、勝点を取れている。嫌味ではない。開幕当初は、どこかでひとつは勝つだろうが、ドローでいくつかポイントを拾える程度で、勝点6、7あたりかと目算を立てていた。
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