「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-16[H] 京都サンガF.C.戦『ダメージ大』(19.6.3)

『ただいま!』2019.6.2

『ただいま!』2019.6.2

2019年6月2日(日)
J2第16節 東京ヴェルディ vs 京都サンガF.C.
14:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]4,326人 [天候]曇、弱風、気温24.8℃、湿度53%

東京V 1‐4 京都
前半:0‐3
後半:1‐1
[得点]
0‐1 一美和成(13分)
0‐2 福岡慎平(18分)
0‐3 小屋松知哉(27分)
1‐3 小池純輝(63分)
1‐4 安藤淳(89分)

●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF2   若狭大志
DF3   近藤直也
DF5   平智広
DF24 奈良輪雄太
MF6   井上潮音
MF33 河野広貴(46分* 林)
MF7   渡辺皓太
MF9   佐藤優平(84分 ヴァウメルソン)
MF19 小池純輝
FW10 レアンドロ(66分 李)
(ベンチメンバー:GK26鈴木智幸。DF15安在達弥、17李栄直。MF16森田晃樹、38梶川諒太。FW11林陵平、30ヴァウメルソン)

監督 ギャリー・ジョン・ホワイト

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■よくはないけれど、受け入れる

京都サンガF.C.の攻撃を司る、庄司悦大の出場停止を残念がった自分をひっぱたいてやりたい。

以前の大味で雑なサッカーはどこへやら、今季見応えたっぷりのパスワークを披露する京都。東京ヴェルディとしてもこの手合いは望むところで、互いが持ち味を存分に出せる力比べになるはずだったのに、キーマンの庄司が不在とは。結果はさておき、好勝負が約束された一戦をむだにしたような気分になっていた。

ところが、どうだ。中盤の底、庄司の役割を18歳の福岡慎平が担い、堂々たる立ち居振る舞いでボールを自在に動かしている。東京Vでは、この日ベンチスタートとなった森田晃樹が同世代だ。

まず、東京Vはボールの握り合いで負けた。それはいい。よくはないけれど、そこで負けることはあり、勝敗はボールの保持率では決しない。90分のなかで流れを引き戻したり、相手を上回っていく方法はほかにいくらでもある。

11分、近藤直也の入れたくさびのパス、レアンドロは挟み撃ちにあい、足元で収められなかった。これも大きな問題ではない。いくら百戦錬磨のツワモノでも、すべてのボールをコントロールできるわけではない。続けていけば、高い確率で前線にポイントをつくってくれる。

レアンドロがワントップに入ったことにより、プレッシングの第一波がまとまりのないものになった。百歩譲って、これも目をつぶる。本当は相手の最終ラインから出てくるパスコースをひとつ切るくらいはやってもらわなければ困るが、ある程度は織り込み済みだったはずだ。

13分、京都に左サイドを崩され、一美和成に先制ゴールを許した。3試合連続で先制点を奪われたことになるが、これも充分にあり得るケースだ。フィニッシュの場面では奈良輪雄太と近藤のふたりが防ごうとし、身体に当たってコースが変わるアンラッキーな面もあった。

さらに18分、福岡に鮮やかなミドルシュートを叩き込まれた。本来、バイタルエリアにいてほしかった井上潮音はひとつ前にいた重廣卓也へのパスコースを切っており、カバーに入った河野広貴も間に合わなかった。

ここまでは、いい。本当は全然よくないが、京都の巧みなパス回しも踏まえて受け入れる。たとえば、自分にも他人にも厳しい奈良輪あたりはかなり早い段階で「認められない。ダメ!」と一刀両断にするだろうが、いろいろとダメなところの多い僕はそうバッサリやられると生きていけない。ダメさを露呈しつつも、どうにかして最後は逆転する道を探ろうとする。

問題は、ここから先だ。

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