「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【この人を見よ!】vol.36 ユウヘイ・オン・ザ・ラン ~MF9 佐藤優平~(19.6.19)

すっかり緑が似合う人になった。
昨年、モンテディオ山形から東京ヴェルディに加入し、24試合6得点。今季は開幕からチームの中軸を担い、全試合スタメン出場を継続中だ。全体に及ぼす影響が大きいひとりで、勝敗の行方は佐藤優平がどこでその力を発揮するかに懸かっていると言っても過言ではない。
攻撃を取り仕切り、守備の献身性も持ち合わせ、さらにプレースキッカーとしても優秀。縦横無尽、八面六臂の活躍ぶりは、サポーターによく伝わっていよう。ともすれば、誰よりも頑張れる人であるがゆえに、周囲の助けが必要に映ることさえある。

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■技術と戦術眼で生きる人

試合前のウォーミングアップがひと通り終わると、佐藤優平と梶川諒太は短い距離でパス交換を始める。

首を左右に振って周りに目を配り、ボールを受け、蹴り返す。何度かボールが往復したのち、佐藤が身体を翻してターン。左足でトラップし、そのまま前を向くことがあれば、右足のかかとに当てて、くるっと旋回することも。動きのキレや芝の感触を確かめるように、直前の仕上げ作業は繰り返し続く。

「最初、僕はスタッフの人とやっていたんですけど、去年の途中から優平とやることに。自然とそうなりましたね。その日の天候やスタジアムによってピッチの感覚が違うので、スムーズにゲームに入れるようにやっています。ターンの合図はパスの強弱。優平が少し緩めに蹴ってきたら、次で前を向きたいんやなと思って速いボールを返す」(梶川)

「意識しているのは、トラップしたときにどのくらいボールが伸びるか。ポジション柄、相手の間でボールを受けて、前を向くことが大事になってくるんでね」(佐藤)

敵陣に深く侵入するほど与えられるスペースは狭まり、そこではボール一個分のコントロールが勝負を分ける。スピードやパワーなどフィジカルを武器としない佐藤にとっては、繊細な技術とアイデアが命だ。

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