「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【お知らせ】7月の更新予定(19.6.27)

こんばんは、ライター海江田です。

昨年あたりから、あいみょんを好んで聴いておりまして、ええ、おっさんですけどそれがどうした、あのむきだしの感じがたまらんのうと愉しませてもらっています。彼女が音楽性を育むうえで影響を受けたアーティストに、フリッパーズ・ギターを挙げていて、へえ、そうなんだ、自分もよく聴いてたなあとうれしくなっていたら、ぱっと目に飛び込んできた小山田圭吾のインタビュー。本や映画でもよくありますが、こうやって何かに導かれるようにふっとつながっていく感覚がとても面白いですね。

以下、Yahoo!ニュース特集『「音楽は空気の振動に戻りつつある」小山田圭吾と音楽の30年』から引用します。

《もともと音楽って、物質じゃないんです。空気の振動なんです。エジソンのレコードができたときから複製録音芸術が始まって、レコード業界のようなマーケットができた。それより前は、誰かが演奏したり、歌ったりしていた。つまり、音楽の原初は物質じゃないので、本来的にお金に換算するのが難しい芸術なんですよね。だけど、そこが音楽の面白いところで。

1990年代までは、そういう複製芸術が物質、レコードやCDとして取引される進化の過程があってピークを迎えた。ところが、ネットが登場して、また音楽という原初に近い形=その場で感じる空気のようなものに戻ってきた。それはもちろん課金したり経済活動はあるんだけど、物質じゃないものになっていっている感じはしますね》

多くの示唆に富む小山田の言葉に触れ、僕はサッカーはどんなふうになっていくんだろうと想像します。万物流転。音楽と同様に時計の針を巻き戻すことはできないとしても、「原初に近い形」に戻ることはあり得るのか。だったら、それはどんな相貌をしているのか、と。

メディア界隈に目を移せば、十数年前はSBGのように書き手と読者をダイレクトにつなぐリトルメディアを継続して運営するのは現実的ではありませんでした。距離の近さのわりに、ほとんどの方とは直接お会いしたことがないんですけれども、SNSで告知に協力してもらったり、ミスや不足点を指摘していただいたり、本当にありがたいなと思います。

インターネットを媒介しながら、そのじつやっていることは江戸時代の瓦版に近いものがありますね。ただひとつ言えるのは、メディアの価値を決めるのは取材対象や関係者ではなく、読者なのだ、ということ。逆転現象が見られていたこの部分は、間違いなく「原初に近い形」に戻っていると感じます。僕自身は何かにつけて保守的な傾向が強めですので、変わりゆくものを面白がれるようでいたいという心持ちでいます。

梅雨、はよ明けてほしい。7月の更新予定です。

月 【マッチレポート】

水 【コラム】または不定期企画

金 【練習レポート】または【トピックス】
 【監督・選手コメント】
  J2試合開催日 【直前インフォメーション】
※【マッチレポート】は試合翌日の更新。平日、土曜開催も。
※予想スタメンは試合前日の更新。
※【コラム】は、【この人を見よ!】【フットボール・ブレス・ユー】【新東京書簡】のいずれか。第2週、第5週は試合の日程が詰まっているためお休みです。
※都合により、予定が変更になる場合があります。

来月から天皇杯が入ってきて、ちょいと忙しくなりそうです。

コパアメリカに臨んだ日本代表の渡辺皓太に関しては、『フットボールチャンネル』や『フットボール批評』(ともにカンゼン)で健筆をふるう舩木渉に原稿を発注しました。ピッチに立てなかったのは残念でしたが、表に出ていない選手のレポートは興味深いですね。通常ならあり得ないオーダーに対し、いかに転がして、その枠組みでどう遊ぶのか。そこが書き手の腕の見せどころです。7月初旬のアップを予定しています。

海江田哲朗 拝

 

『ランド百景』2019.6.23

『ランド百景』2019.6.23

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