【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第41回 東京ボーイズブラボー ~東京ヴェルディユース 2019 深緑~(19.7.24)
第41回 東京ボーイズブラボー ~東京ヴェルディユース 2019 深緑~
空恐ろしさすら覚える、鮮烈な勝利だった。
6月29日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2019 関東の第8節、東京ヴェルディユース vs 三菱養和SCユース(ヴェルディグラウンド)。7分、東京Vユースが石浦大雅の直接フリーキックで先制すると、すぐさま三菱養和が今野息吹のゴールで同点に追いつく。
圧巻だったのは、相手を容赦なく切り刻んだ後半の攻撃だ。ボールポゼッションで優位に立つ東京Vユースは、細かくボールを動かし、ワンツーやスルーを駆使して相手をズラしながら、常にゴールのチャンスを窺っていた。意図的に密集をつくって局面を打開するかと思えば、逆サイドにフリーの選手が出現してボックスに侵入し、そこにボールが入る。
テクニカルエリアに立つ永井秀樹監督(当時)からは「相手が答えをくれるから、きちんと見て」と諭すような助言があれば、「距離が遠いんだよ。あと1.5メートル前!」といった具体的かつ厳しい言葉も飛んだ。
46分、石浦のクロスから阿野真拓がシュートを決めて2‐1。60分、家坂葉光が倒されて得たPKを、自ら決めて3点目。さらに61分に家坂、89分に堀内泰雅がゴールネットを揺らし、5‐1と三菱養和を打ち負かした。
攻め気を隠したパス交換から、ズバッと縦に差す。二手先、三手先を見てボールを動かし、勝負どころの判断に一切の濁りがない。ハマったときの爆発力がこれである。