「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-25[A] 栃木SC戦『堅忍不抜』(19.8.1)

『まあ、とりあえずおいしいものを食べて。「宇都宮みんみん 江曽島店」 』2019.7.31

2019年7月31日(水)
J2第25節 栃木SC vs 東京ヴェルディ
19:03キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
[入場者数]3,765人 [天候]曇、無風、気温27.5℃、湿度90%

栃木 0‐0 東京V
前半:0‐0
後半:0‐0
[得点]
なし

●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF20 山本理仁
DF23 田村直也(67分 井上)
DF5   平智広
MF14 澤井直人
MF8   内田達也(46分* 小池)
MF7   渡辺皓太
MF24 奈良輪雄太
FW4   藤本寛也
FW16 森田晃樹
FW10 レアンドロ(80分 端戸)
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF3近藤直也。MF6井上潮音、9佐藤優平、19小池純輝、38梶川諒太。FW18端戸仁)

監督 永井秀樹

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■どれほど誘い水を向けても

物事に対する強い固執、信念は、その友として我慢や忍耐を必ず一緒に連れてくる。いよいよ始まったなあ、こいつはなかなか手強いぞ、の感を覚える永井秀樹監督の就任3戦目だ。

キックオフ2時間前、栃木県グリーンスタジアムに着いた途端、雷が鳴りだしてザーザー降りに。この雨はやがておさまり、ほどよく水を含んだピッチが出来上がった。

ゲーム序盤、最初にチャンスをつくったのは栃木SCだった。3分、瀬川和樹のミドルシュートがポストを直撃。7分、サイドを突破した瀬川がクロスを入れ、大黒将志がヘディングシュートを放つが、平智広も競りかけたおかげでゴールの枠を逸れた。

栃木がロングボールのターゲットとするヘニキに対しては、内田達也と最終ラインの選手が挟み込んで対処。競り勝てないまでも自由に触らせないことを目的とし、その策はまずまず機能していた。

ゲームが落ち着いた10分過ぎ、ボールを握り込んだ東京ヴェルディの攻撃が始まる。

両ワイドの澤井直人と奈良輪雄太の動きが突破口になりそうだった。外から中へ、相手の裏を狙うランニングを仕掛ける。だが、栃木の最終ラインが深く、スペースがないこともあって、動いた先にボールが入らない。

31分、接触プレーで栃木の選手が倒れ、ゲームが中断した間、永井監督は平、澤井、奈良輪を呼び寄せて、指示を送っている。

「ポジションに早くつき、できるだけワイドの高い位置を取ること。相手のウイングバックを引きつけて、(藤本)寛也や(山本)理仁がボールを持ち運ぶスペースをつくってくれ、と」(澤井)

「優先順位のトップは、相手の背後を取ること。自分たちでアクションを起こすことによって、相手の立ち位置を変え、視線を変える。そのトライを惜しみなく続けるようにという話でしたね」(奈良輪)

こうした試みのほか、東京Vは細かいパスの出し入れや後ろからボールを持ち上がって相手をつり出そうとするなど、さまざまな揺さぶりを仕掛けている。だが、どれほど誘い水を向けても、栃木は徹底して乗ってこない。こっちが我慢なら、あっちも我慢。忍耐力の勝負なら、負けるつもりはないのだろう。

深まる停滞感とともに前半の45分が終了。ハーフタイム、ピッチで身体を動かす選手は、ゴールキーパーの柴崎貴広を含めて6人。小池純輝の姿がなかった。その後、掲示された交代ボードには19番と8番。永井監督は内田を引っ込め、さらに攻め手を広げる決断を下した。

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