「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【フットボール・ブレス・ユー】第44回 新しき者たちよ(19.10.23)

第44回 新しき者たちよ

「なんでトップに上げないのかな。おれが監督だったら、いますぐにでも使うのに」

2016シーズンの終盤、現役引退を発表した直後の永井秀樹が、クラブハウスの階段の昇りながら言った。その日、トップの練習試合に参加した東京ヴェルディユースの深澤大輝(当時)を指して、である。主にセンターバックを務める深澤は、中央大への進学が決まっていた。

理由を問うと、「予測力がすばらしい。次に現れる局面を読みつつ、その都度きちんと状況判断を下しながら最適なひとつを選び取れる。きちんと頭を使ってプレーできる選手です」と永井は話した。このときから、いつかふたつの線が重なる予感めいたものがあった。

時は流れ、永井はユースの監督を経て、今季の途中からトップの指揮官に就任。10月4日、東京Vは深澤(中央大3年)が、2021シーズンよりトップチームに加入することが内定したと発表した。おそらく、来季は特別指定選手制度を活用し、大学とクラブを忙しく行き来することになるだろう。

また、9月18日には、永井監督の教え子である東京Vユースの馬場晴也、松橋優安、石浦大雅、藤田譲瑠チマのトップチーム昇格内定が明らかとなっている。例年、10月以降に発表されていたが、今年は早い動きとなった。やがて、けがの松橋の除く3人は2種登録を完了。トップに故障者が多いことに加え、現時点で来季の体制がおおよそ見えていることとも無関係ではあるまい。

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