【トピックス】検証ルポ『2019シーズン 緑の轍』第六章 光源(19.12.29)
第六章 光源
■来年はチームメイトを助けられるように
ボールを蹴るのが楽しくてたまらない、ランドの空気をまるっと吸い込んだような選手である。
今季、24試合3得点の森田晃樹。シーズン終盤はレギュラーに定着し、ルーキーイヤーから上々の数字を残した。
「最初の時期はなかなか試合に出られず、せっかくチャンスを与えてもらっても何もできない。そのうち出場機会が減り、ベンチ外になっていました。うまくいかないとき、僕は腐りやすいほうで」
小学3年生から緑一直線、日本有数のクラブチームで育ったサッカーエリートだ。自身の価値が認められない逆風下における耐性は高くない。
「腐らずにやれたのは周りのおかげです。練習中、タムさん(田村直也)は一番声を出して、一切手を抜かない。ヨンジくん(李栄直)は僕をごはんに連れ出して、いろいろと話を聞いてくれました。たぶん、ひとりだったら持ち堪えられなかったですね」
雌伏の時を経て、永井秀樹監督のもと、ピッチに解き放たれた森田は鮮烈な活躍を見せる。
8月24日、J2第29節の水戸ホーリーホック戦(2‐1○)でプロ初ゴール。9月8日、第31節のレノファ山口FC戦(4‐0○)、ジャイルトン・パライバの先制点につながる絶妙なスルーパス。10月12日、第36節のFC琉球戦(5‐1○)では2ゴールをマークした。
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