「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【新東京書簡】第七十信『Jリーグは大丈夫だ』海江田(20.4.17)

新東京書簡

第七十信 Jリーグは大丈夫だ

■自分の機嫌をどう取るか

朝、サンダルをつっかけて近所のコンビニにいき、スポニチを買ってくる。

リビングのソファーに腰かけ、赤ペンを耳に差して準備完了。コーヒーを飲みながら、予想に入った。

新型コロナウイルスの感染拡大により、中央競馬は無観客だ。場外馬券売り場も閉めている。それに伴い、BSのグリーンチャンネルが無料放送に切り替わっているのは助かる。

昼過ぎ、7レースあたりから参戦するか。慌てることはない。いつだって当たり馬券は売っている。それを自分が買えるかどうかだ。悠然と構え、読みやすいように新聞に折り目をつける。

以降、数時間、スマホでだらだら馬券を買い、だらだら負け続けた。パドックを見て、好調と印を打った馬がことごとく馬券に絡んでこない。たぶん見ないほうがいくらかマシな結果になっただろう。

以前と比べ、集中力の持続に難あり。相手が同じ人間だって見当違いがままあるのに、馬なんてわかるもんかと、つい投げやりな気持ちになる。また、インターネット投票はハズレ馬券が手元に残ることなく、負けた実感に乏しい。ただ、銀行口座の残高だけがみるみるうちに減っていった。

メインレース、牝馬クラシック第一弾の桜花賞。武豊騎乗のレシステンシア(1番人気2着)を見切っていたおれは、力尽きて新聞を放り投げた。

通常のシーズン中、週末をこんなふうに過ごせることはまずない。政府の外出自粛要請には従うとして、いつまでもこの調子では身がもたんぞ。多くの人々がコロナ禍に巻き込まれて大変だというのに、自制心を失い、競馬で身を滅ぼしたなんてみっともなくて言えやしない。

が、世の大半の娯楽が休止を余儀なくされるなか、関係者の不断の努力によって競馬がどうにか続いていることに感謝せねばならぬ。付き合い方はこちら次第であり、ヘタはヘタなりに狙い目を絞れ、バカ。

さて、今週は牡馬クラシックの皐月賞だ。おれはサトノフラッグで勝負をかける。メインレースまで資金倍増計画などというろくでもないことは考えないようにしたい。

(残り 1651文字/全文: 2501文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ