「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】連載『中根玄暉 新米サッカーコーチの日常』〈3〉(20.5.20)

中根玄暉は、近所の「よみうりV通り」を走る。

中根玄暉は、近所の「よみうりV通り」をひたすら走る。

■西野亮廣オンライン講演会で学び、父の言葉に学ぶ

5月2日(土)
午前10時。自宅のインターホンが鳴り、佐川急便から宅配物が届く。友人の知り合いが発注してくれた待ちに待ったマスクの到着である。これで当分は大丈夫だと安堵していたが開封すると全面ブルーのマスク。人目を気にする性格なので着用にはかなりの抵抗ある色。スタンダードの白いマスクを想像していたが、ここに一捻りがあったとは。こんなことが自分の中ではここ最近で一番話題になる日常である。
ゴールデンウィーク初日。例年であればグラウンドに立ち、より濃密にサッカーに打ち込めるサッカー漬けのゴールデンウィークである。気温27度。これほどにないサッカー日和だが、外に出るのはコンビニにいくときと、ただ孤独にそこらの道端を走り抜けるときのみ。多くの時間を電気がついた部屋で過ごし、いつかのための知識を同じ空間のなかで詰め込んでいく作業が続く。
情報過多の時代。何を学ぶべきか。この選択が難しい。

5月3日(日)
非日常が先の見えない日常となり同じような時の流れが続いているが、刻々と時間は過ぎてゆく。
この日もほぼ一日あれやこれやと体勢を変えながら、ソファーとそこからわずかに降りた地べたで過ごし、よみうりV通りを走るとあっという間に夜がやってくる。
日々進化していくフットボールが世界中でしばらく行われていないが、頭からそれが離れることはない。2017シーズンのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント第2戦、バルセロナ対パリサンジェルマン。サポーターの心、選手の心がこちら側にダイレクトに伝わってくるゲーム。試合終了間際の数分は、結果を知っていても腰かけていたソファーから前屈みになってしまう。
最近、往年の数々の名勝負を流すDAZNさんから「フットボールの素晴らしさを忘れてはならぬ」という熱いメッセージのようなものがフットボールから少し離れている人々に画面越しから発信されているのではないかと感じる。これは上手い。いや勝手な思い込みか。どっちでもいいな。

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