「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】連載『中根玄暉 新米サッカーコーチの日常』〈5〉(20.7.9)

泥まみれ上等。雨上がりのピッチを駆ける子どもたち。

泥まみれ上等。雨上がりのピッチを駆ける子どもたち。

■T君が辞めることになった

6月18日(木)
久しぶりの再会は選手と指導者の関係ではなく不思議な気分である。
FCトッカーノU-15監督の長田道泰さんと挨拶を交わす。僕は指導者の勉強を始めて2年目。長田さんはヴェルディジュニア小学4年時の恩師。指導経験は比べ物にならない。
目的はトッカ―ノの選手のスカウティング。選手の情報を交わす。何気なく放たれる情報が重要だったりする。メモメモ。選手情報に留まらず他に聞きたいことが山ほどある。大雨だったのでこれは別の機会に。
長田さん流ボール回し(ロンド)のオーガナイズ。変わらず緑の血が流れている方だ。

6月29日(月)
練習の流れを頭で描いていたところだった。「ゲンキコーチ、T君が辞めることになった」ヘッドコーチから衝撃の事実を聞く。頭は真っ白、言葉が出ない。
T君は私が担当している小学4年生の選手。彼が初めてサッカーという集団スポーツに足を踏み入れ1年が経った。練習でゴールを決めた時、彼の喜びの表情が見られる瞬間は、私が感情を揺さぶられるワンシーンである。一昨日も見られた光景だった。早く彼と保護者の方と話したい。視界が滲む岐路、どんな言葉が彼の心に響くだろうか。

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