「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-4[A] 大宮アルディージャ戦『筋書きに抗えず』(20.7.12)

『そろりとリモートマッチ解除』2020.7.11

『そろりそろりとリモートマッチ解除』2020.7.11

2020年7月11(土)
J2第4節 大宮アルディージャ vs 東京ヴェルディ
19:03キックオフ NACK5スタジアム大宮
[入場者数]2,271人 [天候]曇、無風、気温26.4℃、湿度84%

大宮 1‐0 東京V
前半:1‐0
後半:0‐0
[得点]
1‐0 渡部大輔(1分)

●東京Vスターティングメンバー
GK31 マテウス
DF2   若狭大志
DF5   平智広
DF16 福村貴幸
MF24 奈良輪雄太
MF8   藤本寛也(62分 森田)
MF9   佐藤優平
MF20 井上潮音(46分* 藤田)
FW48 山下諒也(85分 クレビーニョ)
FW25 端戸仁
FW19 小池純輝(46分* 井出)
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF17クレビーニョ。MF36藤田譲瑠チマ、15中野雅臣、14森田晃樹、30阿野真拓、11井出遥也)

監督 永井秀樹

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■ゲームの流れを決めた開始50秒の失点

大宮駅東口を出て、オレンジロードを歩く。NACK5スタジアム大宮に、徒歩で向かう際の最短ルートだ。

ふわっと風。僕のすぐ横を自転車が颯爽と走り抜けていった。大宮アルディージャのレプリカシャツの背番号は15。腰に巻くオレンジのタオルマフラーが風にはためき、今日という日を祝福する。

新型コロナウイルスの影響によるイベント開催の制限が10日から緩和され、Jリーグはリモートマッチ(無観客試合)から観客を入れる形へと移行した。超厳戒態勢の条件付き(観客数5000人以下、または収容人数の50パーセント以下。どちらか少ないほうが上限。ビジター席なし)ではあるが、一歩前進には違いない。

氷川神社の参道を通り、道なりに進めばスタジアムが見えてくる。まだ警戒が続いている状況とあって、誰もがマスク姿で言葉少なである。周辺はいつもの祭りの雰囲気とはほど遠かった。

キックオフ直後、両チームの布陣の確認すら済んでいない開始50秒にゲームは動いた。

大宮のスローインから、酒井宣福が低いクロスを入れる。これを若狭大志がクリアし損ない、虚を衝かれた福村貴幸と平智広の間をボールがすり抜ける。そして、逆サイドから詰めてきた渡部大輔がズドンだ。

東京ヴェルディのゴールマウスに立つのは、加入後初出場となるマテウス。まったくの想定外と言えるピンチであり、あれはどうすることもできない。

これにてゲームの筋書きは、より鮮明になった。ただでさえ堅い大宮の守備ブロックは、さらにその強度を増す。エサをぶら下げても、易々とは食いつかなくなる。大宮は東京Vにボールを持たせつつ、状況に応じてプレッシャーに緩急をつけ、カウンターかセットプレーで追加点を奪えば、いっちょ上がりだ。

一方の東京Vは、どんな形であれ1点取らないことには始まらない。いきなり困難なシチュエーションでのスタートとなった。

(残り 1941文字/全文: 3190文字)

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