「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【新東京書簡】第七十五信『Zoom時代の情報流通』後藤(20.7.23)

新東京書簡

第七十五信 Zoom時代の情報流通

■質問出来ちゃったんですけど

昨晩は札幌ドームでJ1第6節「北海道コンサドーレ札幌vs.FC東京」を取材した。
――と言いたいところなのだが、なにせこのご時世でしょ。遠慮して在宅参加でした。環境面の整備が追いついていない自分としてははっきり言ってDAZNよりも現地観戦のほうが遙かに見やすいんだけど、仕方がない。

きょうくらいは質問をほかの方、特に現地の記者(もし遠征組がいれば)に任せようと試合前には思っていた。ところがZoom越しに感じる雰囲気がある意味やばい。19時8分キックオフという遅めの試合開始時刻ということもあり、記者のみなさんは会見を手早く済ませたがっている。または原稿をほぼ書き終えながら聞いている、そんな様子を察知した。つまり質問の手が挙がりにくい。

自慢じゃないが、沈黙には耐えられない気質だ。「質問のある方は――」と、ホストの声だけが響く会見の気まずい空気には、放送事故に近いものがある。それなら拙い質問をして恥をかくほうがマシというわけで、長谷川健太監督と室屋成のときに挙手ボタンを押した。試合以外の日のWeb囲み取材よりも挙手が少ないのだから、現場も在宅もへったくれもない。

現地に行かずとも質問出来てしまう。その時点ではたと気がついた。現地に行けないことのマイナスが少ない――いや、ふだんとほぼ変わりないのでは?

もちろん、平時のミックスゾーンで数カ所に散らばって取材するのとは異なりネタが横並びになるということはあっても、最低限自分の着眼点で訊きたいことは訊けるし、必要なネタはとれている。これまでリモートマッチでも超厳戒態勢の有観客試合でも取材申請で落とされたことがなかった分、実感がなかったが、やはり現場の優位性があまりない。これは海江田さんが感じたのと似たことだろう。

同じタグマ内で『青赤20』と『カワジうぉっち』が同一ソースの記事をアップ。その日にFC東京で誰のWeb囲み取材があったか一目瞭然。また複数の媒体から同様の記事が出ることで流通する情報量が増え、読者も読み比べることでウラをとることが可能になる。

同じタグマ内で『青赤20』と『カワジうぉっち』が同一ソースの記事をアップ。その日にFC東京で誰のWeb囲み取材があったか一目瞭然。また複数の媒体から同様の記事が出ることで流通する情報量が増え、読者も読み比べることでウラをとることが可能になる。

■同一情報の露出量が増える

Zoom体制によって露出量が増えるだろうとも海江田さんは言っていたよね。じつは、

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