「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【直前インフォメーション】J2‐17[H] 愛媛FC戦のポイント(20.9.5)

スペースに飛び出していくのが澤井直人の持ち味だ。新婚ほやほや。家庭を持ち、ひと皮むけたと言わせてほしい。   ©TOKYO VERDY

スペースに飛び出していくのが澤井直人の持ち味だ。新婚ほやほや。家庭を持ち、ひと皮むけたと言わせてほしい。   ©TOKYO VERDY

J2第17節、7位の東京ヴェルディ(勝点24/6勝6分4敗 得失点+6)は、19位の愛媛FC(勝点13/3勝4分9敗 得失点-5)と、18時から味の素スタジアムで対戦する。一戦必勝の心構えとともに、シーズン後半に向けて戦力の底上げは必須要素だ。

■豊かなキャリアの為せる、プロの仕事

さすがだなあ、としみじみ感じるものがあった。

ここ2試合、最終ラインに入っている近藤直也である。

今季、初めてメンバー入りし、控えに名を連ねたのがJ2第11節のアビスパ福岡戦(3‐1○)。ベンチを温めること4試合、第15節の京都サンガF.C.戦でようやく先発のチャンスをつかんだ。そこで、2‐0の勝利に貢献し、続く前節のジュビロ磐田戦は2‐2のドローだったが、近藤はセットプレーから貴重な同点ゴールを決めている。

プロ19年目のシーズンは苦難が予想された。

永井秀樹監督はゴールキーパー以外は複数のポジションをこなせることを求め、センターバックを本職としてきた近藤の専門性の高さは不利に働いた。指揮官の理想とするセンターバック像とのズレも小さくない(能力ではなく、タイプの問題)。たとえば、来季から加入が内定している深澤大輝(中央大4年)と比較してどうか。率直に言って、プレシーズンの時期から観察する僕の見立てでは、近藤のほうが序列の下に位置づけられていた。

ベテランは自身の置かれている立場を敏感に感じ取る。プライドが傷つかないはずはない。これが若手なら期限付き移籍の道も残されているが、サラリーの安くない36歳の選手に対し、ほいほい手を挙げるクラブがどこにあろう。

一時、故障もあったようだが、近藤はぎりぎりまで追い込まれた状況で結果を出し、点まで取った。豊かなキャリアの為せる、プロの仕事だ。お見事というほかない。

(残り 1298文字/全文: 2171文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ