【トピックス】連載『中根玄暉 新米サッカーコーチの日常』〈8〉(20.9.16)
■選ばれる側と選ばれない側
8月30日(日)
小学3年生の試合は今年初めてだ。キックオフ。全員が一直線にゴールを目指す。取られたらすぐさま奪い返しに行く。一直線にゴールを目指す。止まらないドリブル。ゴール前に来た。迷わずシュート。決めた。サポーター(保護者)に向けガッツポーズ。シュートをキャッチ、なりふり構わず遠くへパントキック。
一人ひとりの感情がそのままプレーに顕れる。迷いがない。最高に気持ち良い。感情そのままにプレーしていると相手が見えない。味方も見えなくなる。いつしか気付く。失敗を恐れない大胆なプレー選択の連続。相手に突っ込んだドリブルで取られる。一声かけるべきか、かけないべきか。自問が続く。
9月9日(水)
天秤にかけたときに、選ばれる側と選ばれない側がある。後者の返答が届き続ける。
スカウティング活動が芳しくない。何の力も無く、何も成し遂げていない僕に任せていただいた重大な仕事。現時点では、散々な結果だ。東京都クラブユースU-15のパンフレットページをめくる。次々に知りもしない各チームの代表者に電話をかけていく。手段を選んでいる暇はない。出発時刻だ。
車中はスカウティングとこれからの練習のことで頭の中は行ったり来たり。いま、頭の片隅に置くべきなのは前者だが、すっかり逆さまなままグラウンドに到着した。
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