【サッカー人気2位】INAC神戸レオネッサ なぜ2位まで急…

「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】連載『中根玄暉 新米サッカーコーチの日常』〈9〉(20.10.28)

選手に対して、どのような言葉を投げかけるべきか、思案思索の日々。

選手に対して、どのような言葉を投げかけるべきか、思案思索の日々。

■FW佐相壱明(AC長野パルセイロ)は緑山OB

10月14日(水)
緑山SCでは新中学1年生の入団選手を複数回の練習会によって決めていく。主に町田市で活動する緑山の近くには、FC町田ゼルビアのアカデミーをはじめ、力関係では上だと思われているチームがいくつかある。
他のチームと迷った挙句、断られることも少なくないのが緑山SCの立ち位置。練習会に参加してもらい、ここにしかない魅力、雰囲気を感じてもらう。サッカーだけでなく、人となりをできるだけ正確に知るため、1回のセレクションで決めず、複数回の練習会を実施している。
今日の練習会。緑山を第一希望としている選手、まだ進路に迷う選手が混在する。ヘッドコーチと自分が練習を担当する。練習の間が空かないようにそそくさと片付け、次の準備にあたる。ヘッドコーチが目に留まった選手に個人的に声をかける。
全員ではない。特別感を感じさせる。AC長野パルセイロに所属する佐相壱明は緑山SC出身。プロの選手を輩出することはひとつの入団の決め手となり得る。

10月16日(金)
時間ができた時は決まってここにくる。コーチャンフォー若葉台には100万冊の書籍が揃う。
入店してすぐスポーツ誌がある場所へ。少ししてそこを立ち去り、すれ違う女の人を横目で見ながらあちこち歩き回る。様々なジャンルに目を向ける。この空間は最高で、我の部屋にしたいほどだ。決してあらゆる女性にすれ違えるからではない。書籍が豊富だからだ。
小説コーナーへ。目に留まるタイトルがあるも、購入に踏み切れない。外したくない。Google検索。口コミを見る。結局、店頭にあるランキング1位の小説を買う。安全な選択。書籍選びは自分の性格を表す。指導者を目指す自分に足りないものを教えてくれるようだ。勇気と決断。

10月18日(日)
担当している小学5年生の試合。前日の降雨でピッチは劣悪。「パススピードを速めよう」「前から奪いに行くぞ」と伝え、試合に入った。
開始10秒、バックパスをかっさわれ失点。10分で0対4。開始早々の失点が選手の心にダメージを与えた。相手を恐れるようになった。紛れもなく自分の責任。「グラウンドが悪いから立ち上がりは前へのパスを選択しよう」この一言を伝えていれば、あの失点はなかっただろう。違う15分になっていただろう。一言があれば。
ハーフタイム。選手の闘志を蘇らせなければいけない。普段あまり怒らない中根コーチが怒りを露わにすることが彼らにとって一番の薬ではないかと。自分の責任と分かっていながら、不本意にも選手を怒らなければいけない。苦しかった。見違える動きを見せ始めた。少し効いたかな。今日の1本目はどうにかならなかったのか、落胆する帰路。
帰宅後、まもなくして1本の電話が。スカウティングで僕がそのプレーを見たときから惚れていた選手の入団が決まった。自室で声を上げてガッツポーズ。高揚を誰かと共有したくなりリビングへ。父と母に端的に説明すると、「良かったね~」と一言。まあ温度差が凄いこと。
すぐさま自室へ戻る。難航していたが、これまでの交渉が功を奏した。フットボールによって、感情の起伏が激しい一日だった。

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