「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-39[A] FC町田ゼルビア戦『空っ風が吹き抜ける』(20.12.7)

ジョン・チュングンと競り合う森田晃樹。   ©FCMZ

ジョン・チュングンと競り合う森田晃樹。   ©FCMZ

2020年12月6日(日)
J2第39節 FC町田ゼルビア vs 東京ヴェルディ
14:03キックオフ 町田GIONスタジアム
[入場者数]1,960人 [天候]晴、無風、気温12.8℃、湿度49%

町田 1‐0 東京V
前半:0‐0
後半:1‐0
[得点]
1‐0 平戸太貴(67分)PK

●東京Vスターティングメンバー
GK31 マテウス
DF2   若狭大志(80分 クレビーニョ)
DF6   高橋祥平
DF5   平智広
DF21 山本理仁(46分* 福村)
MF11 井出遥也(69分 佐藤)
MF36 藤田譲瑠チマ
MF14 森田晃樹
MF20 井上潮音(89分 松橋)
FW19 小池純輝(69分 山下)
FW25 端戸仁
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF16福村貴幸、17クレビーニョ。MF9佐藤優平、33松橋優安、34石浦大雅。FW48山下諒也)

監督 永井秀樹

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■前線の端戸仁は奮闘するも

どうして、こんなにヘコんでいるんだろう。野津田公園の暗い坂道を下りながら、胸に広がるどんよりしたものの正体が何か戸惑う。

現在の東京ヴェルディはひとつの勝ち、ひとつの負けによって、何かが大きく変わるわけではない。昇格争いを遠くに眺め、ゴールテープを切ることはすでに決まっている。

東京クラシックに敗れたからか。否、そこにダービーマッチ特有のヒリヒリした空気なんてありはしない。

この一戦にどのような価値、意味を見出すのか。平智広に問うと、こう答えた。

「J1昇格に届く順位にはいませんが、この1年間、全員がそこを目指し、練習から本気で取り組んできました。今日出たメンバー以外にも選手がいるなか、自分たちはその代表として試合に臨んでいます。だから、消化試合という意識はまったくない。今日に関しても勝ちにこだわって戦った結果、負けてしまいました」

負けたからって、それがどうしたという気持ちもある。サッカーに勝ち負けは付きものだ。それのみが関心事であれば、スマホで結果を見れば事足りる。

別に、自分の生活が脅かされるわけではないし、負けるのは慣れてるし、失敗したらやり直せばいいだけだし。また明日から食べて、寝て、書いての日々を過ごし、週末のスタジアムに足を運ぶ。それだけのことなのに。

どってことねえよ、のつぶやきは闇に溶け、暗がりを抜けた先にバス停が見えてきた。

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