「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-9[H] 京都サンガF.C.戦『さらに強く自分の色を』(21.4.22)

『アスリート通り沿いにある「Laundry&Coffee ひとやすみ」。SBGラジオの収録にご協力いただき、感謝!』2021.4.21

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2021年4月21日(水)
J2第9節 東京ヴェルディ vs 京都サンガF.C.
18:03キックオフ 味の素フィールド西が丘
[入場者数]1,789人 [天候]晴、中風、気温21.3℃、湿度20%

東京V 0‐2 京都
前半:0‐1
後半:0‐1
[得点]
0‐1 ピーター・ウタカ(8分)
0‐2 宮吉拓実(54分)

●東京Vスターティングメンバー
GK31 マテウス
DF2   若狭大志
DF17 加藤弘堅
DF5   平智広
DF16 福村貴幸(88分 安在)
MF14 石浦大雅
MF6   山本理仁
MF4   梶川諒太(83分 馬場)
FW19 小池純輝(76分 松橋)
FW27 佐藤凌我(76分 端戸)
FW11 山下諒也
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF15ンドカ・ボニフェイス、22馬場晴也、42安在和樹。MF18松橋優安、33橋本陸斗。FW25端戸仁)

監督 永井秀樹

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■ゴール前の解像度に差

旋回しながらわずかに外側に流れたコントロールが命取りとなった。

すかさず競りかけたピーター・ウタカが梶川諒太を軽くはじき飛ばし、ドリブルで前に運ぶ。ボックスの手前、川﨑颯太がボールを足元に収め、左サイドを駆け上がってきた武田将平にパス。ダイレクトのクロスに合わせたのは、攻撃の起点となったウタカだった。

8分、先制したのは京都サンガF.C.。ボール奪取から一気にスピードを上げ、最後の局面は中、外、中で仕留めるお手本のようなショートカウンターだ。守備の人数は揃っていたはずの東京ヴェルディは一切ボールに触れなかった。

東京Vの選手たちは右腕に黒い喪章を巻く。クラブは13日、読売クラブ、ヴェルディ川崎時代に在籍し、日本におけるホペイロ(用具係)の草分け的存在のルイス・ベゼーハ・ダ・シルバ氏(享年65歳)の逝去を公表した。

早い時間に1点ビハインドとなった東京Vだったが、おたおたしても始まらない。この一戦に向けて準備してきたことを出すのみと、後ろからボールをつなぎ、京都のプレスをかいくぐろうとする。狙いのあやふやな長いボールは使わず、多少リスキーであっても相手を意図的に動かし、パスワークで立ち向かう覚悟が見て取れた。

それによって大きな展開がより生きる。16分、加藤弘堅の右足から50メートルを超えるロングフィードが山下諒也に通った。長短のパスをうまく組み合わせ、相手の狙いを分散できれば、チャンスの下ごしらえができてくる。

が、その先にあるはずのシュートをいつまで経っても見せられない。結局、前半のシュート数は京都の6に対し、東京Vはゼロ。

アタッキングサードにおける攻撃の解像度の低さ、ぼやけて見えるのが気になった。永井秀樹監督の言葉を借りれば「共通認識」の濃度という言い表し方になろうか。崩しの精度より先に、フィニッシュのポイントが集約されていないからトライに至らない。攻守のゴール前でこそそれが重要で、結果に直結してくる。

一方の京都はウタカを中心とする攻略の図がクリアに見えていた。また、振り下ろす刃のサイズが大きいうえ、鋭利さも上ときている。これではいかにも分が悪い。

(残り 1997文字/全文: 3404文字)

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