「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-12[H] ザスパクサツ群馬戦『余禄にしては大きすぎる』(21.5.6)

2021年5月5日(水・祝)
J2第12節 東京ヴェルディ vs ザスパクサツ群馬
15:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]0人 [天候]雨のち曇、弱風、気温20.1℃、湿度58%

東京V 3‐1 群馬
前半:1‐1
後半:2‐0
[得点]
0‐1 田中稔也(13分)
1‐1 佐藤凌我(42分)A石浦大雅1
2‐1 山下諒也(67分)Aジャイルトン・パライバ1
3‐1 佐藤凌我(86分)A石浦大雅2
※A=アシスト、及び今季の通算数。東京Vのみカウント。

●東京Vスターティングメンバー
GK1   柴崎貴広
DF2   若狭大志
DF15 ンドカ・ボニフェイス
DF17 加藤弘堅
DF16 福村貴幸(90分 奈良輪)
MF14 石浦大雅(90分 安在)
MF9   佐藤優平
MF6   山本理仁(46分* 山下)
FW19 小池純輝(90分 松橋)
FW27 佐藤凌我
FW10 ジャイルトン・パライバ(84分 端戸)
(ベンチメンバー:GK21長沢祐弥。DF22馬場晴也、42安在和樹。MF18松橋優安、24奈良輪雄太。FW11山下諒也、25端戸仁)

監督 永井秀樹

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■前半の低調なパフォーマンス

家を出たときから、いやな空模様だった。小粒の雨が降ったり止んだりではっきりしない。こういう天候が一番タチが悪い。うんざりしながら見上げた空は、はるか遠くに晴れ間がのぞいていた。

ザスパクサツ群馬戦、開始から東京ヴェルディはぴりっとしなかった。連動しないプレスをラクにいなされ、攻め込まれ、押し返せない時間が続く。

10分、15分もすれば落ち着いてくるかと見ていたが、それより早く失点。13分、山本理仁のパスミスからカウンターを受け、加藤潤也にドリブルで運ばれ、 田中稔也にシュートを叩き込まれる。

佐藤優平と山本の戻りが遅く、下がりながら対応するンドカ・ボニフェイスは大前元紀をケアし、若狭大志は駆け上がってくる平尾壮に身体の向きを変えさせられ、誰もボールホルダーに寄せられない。J2ではこういった場面で攻撃の精度の低さにしばしば助けられるが、トランジションの緩慢さと捨てる判断ができなかったことでフィニッシュまで持ち込まれた。

僕は、これでバチッと目が覚めるなら安いものだと無理やり思い込もうとする。が、その後も東京Vのパフォーマンスは一向に上がらない。ビルドアップから攻撃をつくる段階で簡単にボールを下げたり、効果的な縦パスが入らず、前と後ろで攻撃のイメージがまったくシンクロしていないように見えた。

こうなると願いはひとつ。巻き返しの可能性を残すために、せめて0‐1で前半を終えたい。それのみである。

ところが42分、東京Vは思いもよらない形から同点ゴールをものにする。キーパーの松原修平がサイドにつけようとしたパスを石浦大雅がカットし、フリーの佐藤凌我に仕上げは任せたとラストパス。

「ゴール前に入った時点で大雅なら出してくれるはずだと。大雅を信じ、少しバックステップを踏んでポジションを取りました」(佐藤凌)

佐藤凌は転がってくるボールに右足をダイレクトに合わせ、ネットを揺らす。

前半終了間際のピンチは、マテウスの体調不良により今季初出場となった柴崎貴広のセービングと、ンドカのブロックでゴールを守った。

1‐1のイーブンでゲームを折り返せたのは、僥倖以外の何ものでもなかった。

(残り 1832文字/全文: 3196文字)

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