「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【有料解除】【トピックス】シーズン前半振り返り&『SBGヒーロー2021』中間報告・前編(21.7.25)

時節側、Zoomにて開催。左上から時計回りに、岸上、海江田、田中となっております。

時節側、Zoomにて開催。左上から時計回りに、岸上、海江田、田中となっております。

東京オリンピックが開幕し、J2は約3週間の中断期間に入りました。この機会にシーズン前半の振り返りと毎年恒例の『SBGヒーロー』中間報告を、SBGラジオでおなじみの岸上敏宏(超ワールドサッカー)、田中直希(エルゴラッソ 東京V担当)とともに、3日連続でお届けします。

■2021シーズン、大殺界の危惧

海江田「本日はお集まりいただき、どうもありがとうございます。まずはシーズン前半の回顧からいきましょうか。第23節を終了し、東京ヴェルディは盤石の9位で中断期間に入りました」

田中「最後のほうは勝っても負けても順位が動きませんでしたね」

海江田「第18節終了以降、9位にピン留めされたかのごとく。5連勝のあと、下位チームを相手に負け、ドロー、ドローで中断に入ったので、正直もやっとしています」

岸上「無理もないでしょう。第23節の愛媛FC戦(2‐2△)、あと4分耐えられれば勝って中断だったんですが」

田中「序盤の傾向は上位に勝てないけれど、下位には勝てるというもの。連勝の流れから、相手が不振の松本山雅FC、ザスパクサツ群馬、愛媛とくれば、ついつい星勘定してしまいがち」

海江田「しちゃいますね。特におれなんか、わかりやすくいい気になっていたので」

田中「ところが、向こうは監督が代わって気合いが入っていて」

海江田「松本は気力の充実を感じた。あのあと全然勝ててないけど」

田中「同じく直前に監督交代のあった群馬も」

海江田「思いのほか手強かった。あのゲームは加藤弘堅のブレ球ミドルを目撃できたのが思い出深い。どうにかしたかったという残念感の強さでは、やはり愛媛戦か」

岸上「あの試合、相手の守備のやり方を見て、今日は3、4点取れそうだなと思いましたもん」

海江田「實好(礼忠)監督が手の込んだ策を施したようには見えなかった」

岸上「ディフェンス面に関して、ヴェルディ対策の意識はそこまで強くなかったんじゃないですか。久々、フロントボランチにボールがスパスパ入って、これならいけるぞと」

海江田「だが、結果は最後に追いつかれてのドロー。後半途中の時点で、マッチレポートの締めをすでに決めてた。多少不格好でも、粘り強い勝ち方ができるのは大事だとかなんとか」

田中「残念でしたね」

海江田「シーズン序盤の苦しみを思えば、こうやって悔しさを語り合えるだけだいぶマシですよ。そもそも今季はリスキーな要素が重なり、ヘタすりゃ大殺界の年になると危ぶんでいた。まず、降格枠が4つの特殊なレギュレーション。長期政権が珍しいヴェルディにおいて、就任3年目のシーズンは鬼門なんです。オズワルド・アルディレス監督、川勝良一監督はいずれも成績不振で交代し、冨樫剛一監督は最後まで完走するも残留争いに巻き込まれて18位。そこで、こだわりの人である永井秀樹監督は極端さが持ち味で、魅力はありつつも短所にもなり得る。永井サッカーエクストリームは、上にも下にも大きく振れる可能性があるということ。極めつけは、田中直希、4年ぶりの担当復帰」

田中「ちょっと!」

海江田「これだけ重なれば、危うさを感じないほうがおかしい。第4節、ツエーゲン金沢に2‐4で負け、第5節のアルビレックス新潟戦で0‐7の大敗を喫し、その不安はピークに達した。それもこれも田中が帰ってきたせいだと」

田中「やめてください」

岸上「新潟戦はしんどかったですね」

田中「あれは苦しかった」

海江田「復帰した富澤清太郎が今季初スタメンで、期待が大きかっただけになおさら。あそこからよくチームを立て直したよ」

田中「ホントそう思います。春頃は練習を見ていても、トレーニングのメニューが毎回ほぼ同じだったじゃないですか。これで変わっていけるのだろうか、と」

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