「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【この人を見よ!】vol.43 スルーパスの極意 ~MF14 石浦大雅~(21.9.16)

2021シーズンの後半、出場機会を増やしそうな選手の筆頭が石浦大雅だ。その左足から放たれるスルーパスは一級品。相手の虚を衝くタイミングで、絶好のチャンスとなる場所にするっとボールが出てくる。本格化はまだ少し先だろうが、類まれな才能が開花する瞬間を目撃できるのはいましかない。

■石浦大雅だけは裏切ってくる

最初にその名前を耳にしたのはいつだったか。たしか5年前の冬だったと思う。

当時、東京ヴェルディユースの小笠原資暁コーチ(現東京ヴェルディジュニアユース監督)に「育成年代で早めに注目しておいたほうがいい有望株は?」と訊ねたことがあった。

「来年、ユースに上がってくる選手はけっこう粒ぞろい。ヴェルディっぽさでは石浦大雅ってのがいますね。技術があり、いい雰囲気を持っています」

やがて、トップの練習に呼ばれるようになった石浦を見て、別の指導者は「ボールを持てば面白い。ただ、プロに混ざって、持つまでいけるだろうか。あの身体で」と懸念を口にした。

見るからにひょろひょろで線が細く、運動能力も特筆すべきものはない。先を案ずるのは無理もなしと思えた。

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