「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】特集『ルーツ探訪 燃ゆる魂 ~日本体育大学 学友会サッカー部~ 』前編(22.1.12)

特集『ルーツ探訪 燃ゆる魂 ~日本体育大学 学友会サッカー部~』前編

 

スポーツエリートの集いし学び舎、日本体育大学。学友会サッカー部は1954年に創部され、現在は関東大学リーグ2部に属する。
ここ10年、東京ヴェルディと縁のあった選手に、北脇健慈(VONDS市原)、長谷川洸(モンテディオ山形)、高井和馬(水戸ホーリーホック)、山下諒也(横浜FC)、ンドカ・ボニフェイスがおり、今季は河村慶人が加入することになった。
彼らの原型はいかにして形づくられたのか。神奈川県横浜市の日体大健志台キャンパスを訪ねた。

 

■5人のプロ選手を輩出

東急田園都市線の青葉台駅からバスで約10分。日本体育大学健志台キャンパスに着く。

入口のキャンパスマップを見ると、目指すサッカー場は最も奥にあった。ラケットを持つ女性が目の前を横切り、ランニングする集団に追い抜かれる。右も左も運動部の学生だ。動きがきびきびしている。

体操の内村航平、水泳の北島康介をはじめ、数々のオリンピアン・パラリンピアンを輩出した、スポーツエリートの集いし学び舎である。

サッカー部の練習は19時からと聞いていた。てくてく歩いてやっとこさ目的地に着き、マスクをずらす。吐く息が白い。12月中旬、夜の冷え込みは街中の比ではない。ヒートテックを2枚重ねにしてきてよかった。

健志台グラウンドは観客席を備え、更衣室や研究室を兼ねる立派な施設だった。まずはアポイントを取っていた矢野晴之介監督に面通しだと、近くにいたマネージャーさんに居どころを訊ねる。「ピッチの真ん中あたりにいる帽子の人が矢野監督です」と教えてくれた。

昨季、日体大サッカー部は関東大学リーグ2部で4位に終わったが、5人の選手をJリーグに送り込む。FW河村慶人(東京ヴェルディ)、MF大曽根広汰(ベガルタ仙台)、MF弓削翼(いわてグルージャ盛岡)、DF深川大輔(岩手)、DF三浦颯太(ヴァンフォーレ甲府)。

ピッチに目をやると、クロス&フィニッシュのセッション。右サイドから入れたグラウンダーの速いクロスがそのままファーサイドに抜けていった。

「おいっ、(ゴール前に)入れよ!」の声はクロスを蹴った河村。相変わらずの熱血漢である(この認識はほどなくしてあらためられる)。ついこないだまで東京Vの練習に参加していて、今度はここで会ったか。すでに部を引退している身だが、特別に参加しているそうだ。

すでに部を引退した河村慶人だが、トレーニングに参加していた。

すでに部を引退した河村慶人だが、トレーニングに参加していた。

今季、門倉捷人(新4年)は大学サッカーのラストイヤー。がんばれ。この日に、よくぞこれを着てたね。

今季、門倉捷人(新4年)は大学サッカーのラストイヤー。がんばれ。この日に、よくぞこれを着てたね。ナイス!

■図抜けていた闘争心と走力

見慣れた色合いのウインドブレーカーが目に入った。森田晃樹の同期、東京Vユース00年組の門倉捷人(新4年)である。

門倉に河村の印象を訊いた。

「慶人くんはとにかく熱い人ですね。誰よりも元気で、誰よりも走る。見習うところの多い先輩です」

今年、門倉は大学で最後のシーズンとなる。現在は故障の回復に努めているが、悔いの残らぬよう、やり切ってほしい。

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