【この人を見よ!】vol.45 伸びゆく才知 ~DF2 深澤大輝~(22.3.11)
プロ2年目のシーズンに入った深澤大輝の卓越したインテリジェンス、状況に応じて必要なプレーを選び取れるセンスは思わぬ形で発揮された。
開幕から不慣れな左サイドバックを任せられ、全試合フル出場。持ち前の守備力の高さで最終ラインを支え、第3節の徳島ヴォルティス戦では前線に進出し、華麗なループシュートで今季初得点をマークしている。
底知れない器量を思わせる活躍ぶりだ。
■仕事の本質をつかむ力
2021シーズン、深澤大輝は中央大から加入し、東京ヴェルディユース、大学の先輩である田村直也(現解説者)から23番を受け継いだ。それは田村の希望であり、深澤も望むところだった。
プロ入り前、トップの練習に参加した深澤は、強烈なシュートを躊躇なく顔面ブロックで止める田村に驚かされている。「おれはこれができなくなったらすぐにでも引退するわ」。田村は言い、トレーニングから実戦さながらの闘争心をむき出しにした。
2年目の今季、深澤は引き続き23番を付けるつもりでいたが、クラブは一桁の2番を用意していた。東京ヴェルディを背負い、中心選手としてチームを引っ張るひとりになってほしいという期待の表れである。
深澤はクラブの思いを汲んでこれを受け入れ、田村には事情を説明する連絡を入れている。
番号は変わった。しかし、23に込められた気魂は深澤の身体のなかで脈々と生き続けている。
先達への敬意が強すぎたせいもあったのだろう。2月27日、J2第2節の栃木SC戦(3‐0○)、81分、交代ボードの23を目にした深澤は勘違いし、加藤弘堅と代わってピッチから出ようとした。
「あれは恥ずかしかったですね。コーチから『おい大輝、何してんの?』って言われて」と、苦笑。背番号2がすっかり馴染むまでにはもう少し時間を要するかもしれない。
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