「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】『U-21日本代表、ドバイで輝く』ドバイカップU-23 現地レポート(22.4.7)

ドバイカップU-23を制し、満面の笑みの山本理仁と藤田譲瑠チマ。 写真●松尾祐希(サッカーライター)

ドバイカップU-23を制し、満面の笑みの山本理仁と藤田譲瑠チマ。 写真●松尾祐希(サッカーライター)以下、同。

3月下旬、U-21日本代表は初の海外遠征を行い、ドバイカップU-23に出場。東京ヴェルディからは山本理仁と馬場晴也が招集された。
2024年のパリ五輪代表のベースとなるU-21日本代表は、初戦、U-23クロアチア代表を1‐0で下し、続くU-23カタール代表も2‐0で撃破。最後はU-23サウジアラビア代表を1‐0で破り、無傷の3連勝で優勝を達成した。山本、馬場にドバイでの戦いは何をもたらしたのか。
SBG特派員=松尾祐希(サッカーライター)の現地レポートをお届けしよう。

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■選手も記者も久方ぶりの海外遠征

東京で桜が開花した3月20日、アラブ首長国連邦行きの飛行機に搭乗するべく成田空港に向かっていた。日暮里駅で山手線を降り、京成電鉄のスカイライナーに乗り換える。座席を確認して腰を下ろすと、なんだか懐かしい気持ちになった。

コロナ禍では初の海外渡航。頭の中で過去の体験談を引っ張り出し、最後に海を渡った記憶を辿る。未知のウイルスが世界各国で猛威を奮っている影響で、最後に異国の地で赴いたのは2019年の11月。ブラジルで開催されたU-17ワールドカップの時だった。

当時の写真をスマートフォンから探し出すと、記憶が鮮明に蘇ってくる。初戦で優勝候補のオランダを3‐0で下した時の興奮も、ベスト16でメキシコに敗れた時に藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)が見せた茫然自失とした表情も、昨日のことにように脳裏をよぎった。「今回はどんな姿が見られるかな」。そんなことをぼんやり思っていたら、あっという間に電車は成田空港駅のホームへ滑り込んでいた。

日本から約12時間。ようやくアブダビに到着したのだが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で難航すると思われていた入国審査はあっさりと終わった。事前に聞いていた入国時のPCR検査もなく、今までの心配は取り越し苦労で終わったようだ。何事もなく乗り換えのパスに向かい、アブダビを後にする。見渡す限りの砂漠に通されたハイウェイをひたすら走り続け、2時間ほど経って目的地のドバイへと到着した。

アラブ首長国連邦で2番目に大きな都市であるドバイは富豪たちが集まる街。そんな世界有数のメトロポリスで行なわれるドバイカップU-23に、ふたりの選手がU-21日本代表の一員として参戦した。東京ヴェルディの馬場晴也と山本理仁である。

彼らは世代別代表の常連で、海外遠征は何度も体験してきた。とはいえ、久しぶりにやってきた異国の地。文化も違えば、環境も違う。日本はようやく春の匂いがしてきたばかりだというのに、日中の気温は30℃を超える日も珍しくない。太陽の光は容赦なく照り付けていた。

到着した21日の夕刻から練習がスタートしたが、彼らは意外にも平然としていた。翌日、馬場に話を聞いても、日本では味わえない雰囲気を楽しんでいる様子が伺えた。

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