「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】天皇杯-2 ブラウブリッツ秋田戦『覚悟みなぎりて』(22.6.2)

2022年6月1日(水)
天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会2回戦 東京ヴェルディ vs ブラウブリッツ秋田
19:00キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]1,053人 [天候]曇、弱風、気温21.8℃、湿度50%

東京V 2‐1 秋田
前半:2‐1
後半:0‐0
[得点]
0‐1 小暮大器(1分)
1‐1 佐藤凌我(7分)A井出遥也1
2‐1 ンドカ・ボニフェイス(31分)A橋本陸斗1
※A=アシスト、及び天皇杯の通算数。東京Vのみカウント。

●東京Vスターティングメンバー
GK21 長沢祐弥
DF24 奈良輪雄太(65分 谷口)
DF3   ンドカ・ボニフェイス
DF5   平智広
DF22 佐古真礼
MF14 石浦大雅(65分 森田)
MF17 加藤弘堅
MF8   井出遥也(70分 阿野)
FW10 新井瑞希(90分 河村)
FW27 佐藤凌我
FW33 橋本陸斗(65分 V・バイロン)
(ベンチメンバー:GK31高木和徹。DF谷口栄斗。MF7森田晃樹、18バスケス・バイロン、20阿野真拓。FW11端戸仁、河村慶人)

監督 堀孝史

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■開始早々のビハインドをはね返す

天皇杯には独特の緊張感がある。

2017シーズンからDAZNがJリーグの中継を担うようになり、見逃し配信でゲームを手軽に見返せるようになった。それ以前のスカパー時代は録画できるメリットがあり、一長一短ではあるけれども、パソコンやスマホでも視聴できる使いやすさは圧倒的な優位性がある。

いずれにせよ、一部のゲームしか中継されなかった頃を思えば、はるかに仕事がしやすいのはたしかだ。便利さにすっかり身体が慣れてしまい、瞬時の動きを見逃すまいとする緊迫をやや欠いてしまうところもあるが。

唯一、事後に確認する手段を持たない天皇杯だけは見逃し厳禁。ピッチから目を切るタイミングを間違えれば、取り返しがつかない。

よくよく心得て試合開始を迎えたはずなのに、いきなりやっちまうのだから己の愚かさに呆れ返る。

ブラウブリッツ秋田のキックオフでゲームはスタート。東京ヴェルディのビルドアップ、ンドカ・ボニフェイスの左足のロングフィードが相手に渡る。ノートに〈ボニ、サイチェン(サイドチェンジ)狙いよし。ミス〉と書き、顔を上げたときには小暮大器がボックスに侵入し、左足を振り上げていた。

小暮のシュートはニアを撃ち抜く。手元のストップウォッチを見ると52秒。まさかこんなに早くゲームが動くなんて。布陣やポジションを確認するひまもありゃしない。

険しい表情でピッチに四つん這いとなっているのは佐古真礼だった。

「身体にボールを当てられる感覚で足を出してすべりましたが、股の下を通ってニアに打たれてしまった。自分の甘さや緩さが出た失点。試合の立ち上がり、ディフェンスのひとりとしてもう一歩寄せたり、股の下を空けないようにして対応すべきだった」

プロ2年目の佐古は東京Vにおいて初先発(昨季はJ3の藤枝MYFCに期限付き移籍し、リーグ戦10試合2得点)。同じく2年目の橋本陸斗も初先発のチャンスをつかみ、左サイドはフレッシュな組み合わせとなっていた。

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