宇都宮徹壱ウェブマガジン

【最終回】稲本のせいでビールが飲めない?/サッカーの新聖地へと生まれ変わるルジニキ。どこよりも早い! 2018ロシアガイド  text by 服部倫卓

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■突然噴出したドーピング問題

またまた残念なことが起きてしまった。広く報じられているとおり、11月9日、世界アンチドーピング機構(WADA)の第三者委員会が、ロシアの陸上競技界で組織的なドーピングが行われていることを認定した上で、2016年のオリンピックも含めた陸上競技にロシアを出場させないよう勧告するという大事件が起きた。

私もWADAの報告書をざっと眺めてみたが、2010年に「アスリート生体パスポートテスト」というのが導入されてから、世界全体で83例の陽性反応の事例があり、そのうちの35%に当たる29例がロシアからのものだったという。どうやら、弁解の余地はなさそうである。

問題は、これがサッカーに影響するか、特に2018年のFIFAワールドカップに響くかということ。だが、現在のところ直接の影響は生じていないようだ。WADAの第三者委員会も11月9日の記者会見で、「問題が2018年のワールドカップ・ロシア大会に影響することはあるか?」との質問に対し「陸上競技のドーピング問題を他の種目に持ち込もうとは考えていない」と答えている。

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