宇都宮徹壱ウェブマガジン

メルマガ終わります、WM始まります! 徹マガ新体制と新メディアについてのご報告

4月初旬の週末は、FCバイエルンユースカップ2016の取材とブラサカ日本代表・落合啓士選手の結婚式に招かれて、ずっと東北を回っていた。そして迎えた週明け、世の中はすっかり「新年度」。TVを点けると、お天気お姉さんが変わっていたり、スタジオがすっかり模様替えされていたりと、どこもかしこもリニューアルである。

 毎年、あまり変わり映えしないフリーランスの業界にいる私だが、この4月に徹マガは、ひとつの大きな節目を迎えた。2010年の創刊以来、ずっと編集長を務めてくれた澤山大輔が3月いっぱいで退任となったのである。

 退任の理由と当人の想いについては、前号の編集長コラムで書かれてあるとおりなので、ここでは繰り返さない。私のほうからひとつ付け加えるとするなら、落合選手の結婚式で久々に再会して、お互い笑顔で握手ができて本当によかったということである。ともあれ澤山くん、これまでの6年間、本当にお疲れ様でした! 新天地でも頑張ってください!

 前編集長の大きな背中を見送ったところで、今後は主筆である私が編集長を兼任する。そして、三顧の礼で迎えた新たなスタッフ(のちほどご紹介する)とともに、新たなメディアをスタートさせる予定だ。新たなメディアは7月に立ち上がるが、新体制の発足は今月から。よって6月末までの3カ月は、クロージングに向けての消化試合ではなく、むしろ新たな試みへの助走期間となることを、この機会にあらためて強調しておきたい。

 そこで今回はこの場を借りて、新メディアに関する正式なリリースさせていただく。まずは名称の発表から!

「宇都宮徹壱ウェブマガジン(WM)」である。

 これまで月に4回配信されるメールマガジンから、順次記事がアップされるウェブマガジン(以下、WM)になる、というのが大きな変更点。現在のタグマ!版徹マガが、そのまま7月1日より装いも新たに宇都宮徹壱WMに生まれ変わる(すでにタグマ版徹マガをご契約の方は、そのまま自動的に切り替わる)。

 ここで余談。WMといえば、オールドサッカーファンには「WMシステム」を想起される方もいらっしゃるだろう。あるいはドイツ語でワールドカップを意味する「WM(ヴェーエム)」を連想する方もいるかもしれない。私としては、わりとサッカー的な字面で気に入っているのだが、どう読んでいただくかは読者の皆さんに委ねたい(もし「徹マガ」と呼ばれるのであれば、それはそれで尊重するつもりだ)。

 それでは、WMとはどのようなメディアなのか? 現状のメールマガジンと何が違うのか? 私はIT系の人間ではないので、ここでは「書き手と読み手の関係」という視点から説明したい。うんとわかりやすくまとめると、「メールマガジンでのこれまでの課題が一挙に解決」ということになるだろう。具体的には──。

(1)メルマガのような不着がない

(2)専門的なHTML作業が必要ない

(3)旬な情報を適時アップできる

(4)PCはもちろん、各種スマートフォンやタブレットでも閲覧できる

 これまでのメルマガ制作において、(1)(2)(3)は編集部をずっと悩ませてきた問題であった。(1)の不着に関しては、多くの読者の方々にご迷惑をおかけしてしまい、ずっと心苦しく感じていた。(2)に関しても、HTML化をお願いしている加茂宏一さんにアクシデントがあったときの対応が、常に心配の種であり続けた。(3)については「コンテンツを書きためてから配信」という作業工程があったため、どうしてもタイムラグが生じてしまうという悩ましさがあった(号外を出すにはマンパワーが足りなすぎた)。

 しかしWMの場合、メールの不具合に左右されることはない。言ってみれば「クラウド上に置かれてある雑誌」なので、読者はいつでもどこでもアクセスすることが可能となる。それが(4)。バックナンバーも含めて、外出中にも気軽にコンテンツが読めるのは、読者の皆さんに大きな利便性をもたらすことだろう。

 では、実際のところWMの使い勝手はどのようなものなのか? そして7月からはどんなコンテンツを読むことができるのか。それらについては、『編集長コラム』改め『WM編集準備室』において、新しい編集スタッフである森衿子(もり・えりこ)がご説明させていただく。実は森は、古くからの徹マガ読者であり、サッカーのみならず音楽やサブカルチャーへの造詣も深く、その上「仕事ができる女性」でもある。きっとWMに新たな息吹をもたらしてくれるものと期待する次第だ。

 メルマガ終了まで、今号を含めてあと12号。しかし6年にわたって培われてきた徹マガのノウハウとポリシーは、WMという新たなメディアに受け継がれて今後も続いてゆく。そして私自身、閉塞感に包まれたサッカーメディア業界にあって、これまで以上に「ニッチに、ワイドに」サッカーをめぐるさまざまな情報を、写真と文章を通じて皆さんにご提供させていただく所存である。そんなわけで、今後とも徹マガとWMをよろしくお願いします。

<この稿、了>

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ