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【無料記事】中村憲剛との再会を果たしたふたりの少年 今日の現場から(2016年7月3日@陸前高田)

 2日に弘前で「青森ダービー」を取材してから、列車とバスを5回乗り継いで、岩手の陸前高田にやって来た。川崎フロンターレと陸前高田市が協力して3日に開催された『高田スマイルフェス2016』を取材するためである(川崎と陸前高田との関係については、昨年スポナビに掲載されたこちらの記事を参照のこと)。今回の取材は、今週スポナビでコラムを掲載する予定だが、ここでは個人的に極めて印象的だったエピソードをご紹介することにしたい。

 中村憲剛をはじめ、4人の川崎の人気選手がサイン会に対応していた時、ふたりの少年が6切サイズにプリントされた写真にサインを求めてきた。写真は今から5年前、震災の年の9月に川崎の選手たちが高田小学校を慰問したときのもの。中村憲剛は、ふたりの小学6年生の少年たちとの3ショット撮影に応じている。あれから5年。ふたりはいずれも、小笠原満男の出身校として知られる、大船渡高校の2年生になっていた(しかもサッカー部所属である)。ひとりの少年は、身長が177センチを超えており、すでに小柄な元日本代表を上回っていた。

 さすがの憲剛も驚いた様子。「継続して支援することって、こういうことなんだよね」としみじみと語り、5年ぶりの3ショット撮影に快く応じてくれた。一方の少年たちも「僕らもいろいろあったし、憲剛さんも怪我とかあったので、今日ようやく再会できました」と感無量の様子。さまざまなドラマがあった今回の『高田スマイルフェス2016』については、間もなく掲載されるスポナビでのコラムに書かせていただくので、ご期待いただきたい。

<この稿、了>

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