宇都宮徹壱ウェブマガジン

多摩川クラシコで明らかになった「継続性の差」 今日の現場から(2016年7月23日@等々力)

※文末に追記しました(2016年07月24日 17時50分)

 今週土曜日は、川崎フロンターレとFC東京による「多摩川クラシコ」を取材。川崎については、先日の陸前高田での取材でお世話になっていながら、なかなかホームゲームにお邪魔できないことが気になっていた。一方、対戦相手のFC東京についても、いささか気になることが。それは先週の柏レイソル戦(●0-1)で、城福浩監督がまたしても「受け入れ難い(敗戦)」と語っていたことだ。どうやら前回の取材から、状況はあまり改善されていないらしい。

 試合はアウエーのFC東京が、予想外の粘りを見せた。相手のクロスやシュートは中央のブロックで弾き返し、カウンターから前線のネイサン・バーンズとムリキに託すという、非常に割りきった戦術。シーズン開幕前、城福監督が目指していた「アクションフットボール」とはほど遠いスタイルではあったが、理想をかなぐり捨てても勝ちたいという必死さはひしひしと伝わってくる。

 実際、FC東京の頑張りで試合は予想以上に白熱したものとなった。それでも後半36分、小林悠の5試合連続となるゴールが炸裂して、川崎が勝ち越しに成功。今季のFC東京は、相手に先制されるとなかなか勝てない(先制されて勝利したのは2試合、敗れたのは6試合)。最後は平山相太を投入してパワープレーを図るも、同点に追いつくには至らなかった。これで川崎はセカンドステージと総合順位で首位に立ち、FC東京は今季初の3連敗を喫することとなった。

「われわれのチームは(対戦相手が)どこでも、向こう中心に考えてはいない。自分たちがボールを持って押し込んでしまえば(心配することは)何もない」

 試合後の会見。「ムリキとネイサン・バーンズの2トップ対策」について問われた川崎の風間八宏監督は、自信たっぷりにこう答えていた。確かにこの試合、両者の地力の差は否めなかったと思う。しかし忘れてならないのは、風間体制は発足当初から盤石なサッカーを見せていたわけではないということだ。

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