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宇都宮徹壱ウェブマガジン

RIOを振り返り、TOKYOを想う 千田善×篠原美也子×宇都宮徹壱鼎談<2/2>

(c) 篠原美也子

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■日本のメディアの伝え方について

――今度はリオ五輪を伝える側、すなわちメディアの話に移りたいと思います。私はワールドカップについては現地で取材しているので、日本国内の報道というのはまったくシャットアウトされた状態なんですね。ところが五輪期間中は国内にいるので、日本のメディア情報がほとんどになってしまう。もちろん日本語での情報はありがたいんですが、あまりに過剰な情報量には時々辟易することがあります。たとえば「なぜ日本のTVはメダルを取った観客席の家族を(カメラで)抜くんだろう」とかね(苦笑)。

篠原 これはブログにも書きましたけど、私は競技だけを見るようにしています。あと、たまに「選手がスタジオに来てくれました」みたいなのは見る。でもワイドショーとかになると、何だかとっても騒がしくなるぞと思って見ない。特に民放はそうですよね。

千田 五輪に限らないと思うんですけど、アスリートのパフォーマンスをどう見せるかっていうのが一番大事だと思うだよね。だけど日本人はお涙頂戴が大好きで、ワイドショーがそれをやるのはまだわかるんだけど、スポーツ中継の中でもそれをやられると非常に鼻につく。さっき話題に出た吉田沙保里の中継もひどかった。「マットにお父さんがいる」っていう話ばっかりしていたんだよ。

篠原 あれは日テレのアナウンサーでしたよね。ネットで「ポエムだ」って叩かれていましたけど。(参照)

千田 日テレって、いつもそうなんですよ。巨人の野球中継は別にして、他のスポーツ中継はサイドストーリーが中心になるわけ。高校サッカーでも、この選手は何歳でお兄さんの影響でサッカーを始めてとか、英語の成績はどうでとか、そういうのばっかり。あれは社是みたいだよね。だから日テレのクラブワールドカップの中継なんかは、僕はいつも英語の実況に切り替えるようにしている。

――日テレは駅伝もやっていますよね。

千田 箱根はいいんだよ。だって「今、左足を出しました、今度は右です」なんて実況は成り立たないからさ(笑)。選手のバックグラウンドを語るのはむしろありだと思う。ただアナウンサーは、レスリングでも柔道でも、局面が動きそうになったら解説者にすかさず振って解説してもらうという、実況のスキルやテクニックというものを、もっと大事にしてほしいですよね。もちろん、その競技を見る目を養うことも大事なんだけど、ノートにサイドストーリーのことばかり書いてあったら、それは違うだろうって思うよね。

篠原 あと、インタビューの質の向上ですね、きっと。競技が終わって泣いている選手に「お疲れさまでした」って。それってどうなのって思いましたけど。

――確かにそうなんですけど、それにしても日本の選手って、メダルを取って大泣きする選手があまりに多すぎやしませんでした? 吉田沙保里は負けて泣いていたわけですけど、卓球の愛ちゃん(福原愛)もバトミントンのタカマツ(高橋礼華・松友美佐紀)も、メダルを取ったのに泣きじゃくっていたじゃないですか。もちろん、感極まってというのはわかるんだけど、笑顔でガッツポーズを決めたり、雄叫びを挙げたりする海外の選手と比べて、日本の選手はなぜ涙なんだろうって、ちょっと不思議に感じますよね。

千田 柔道の重量級の子は一言もしゃべれなかったよね。

――しかも出てくる言葉は「地獄のような日々でした」とか、「これほど苦しい五輪は初めてでした」とか、確かにそうかもしれないけれど、それは現役を引退してから言えばいいことじゃないのかなと。少なくともメダルを取った瞬間は、涙に暮れるのではなく、満面の晴れがましい笑顔を見せて欲しいと思うんですけど、難しいんですかね。

千田 日本人はみんなそうなんだって。メダルを期待する、国民的なプレッシャーが非常にきついし。

篠原 それとストイックですね。みんなストイック。もっと喜んでいいよって、銅メダルでも喜んでいいよってすごく思うんですけど。ただ、徹マガの連載でも書かせていただきましたけれど、私もレベルこそ違うけれど何かを背負って人前に立ってステージにっているから、そういうところでのプレッシャーや悔しさといったものはわかる気がします。

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