宇都宮徹壱ウェブマガジン

取材現場から振り返る2016年のサッカー界 WMフォトギャラリー<2/2>

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【7月】

3日(日)高田スマイルフェス2016@陸前高田

 川崎フロンターレが11年から続けている、岩手県陸前高田への復興支援。5年目の夏は、その集大成として高田スマイルフェス2016が開催された。会場の上長部グラウンドには、仮設ステージや仮設店舗が作られ、さながら等々力の週末の賑わいが、そのまま移植されたかのような光景が広がる。そして(30分ハーフだったとはいえ)、現役Jリーガーたちによる『スマイル・ドリームマッチ』が無事に開催されたことは、グラウンドの草むしりに参加したひとりとして、実に感無量であった。(参照)

9日(土)吹田スタジアムを堪能@大阪

 セレッソとガンバによる、U-23同士の大阪ダービーを取材するために大阪へ。その前日に吹田スタジアムで行われた、ガンバ大阪対ベガルタ仙台のゲームを取材した。吹田には過去2回訪れているが、ピッチレベルで試合を観たのはこれが初めて。正直なところ、これだけの至近距離からサポーターの声援や視線をまともに受けるのは、かなり衝撃的な経験だった。観戦者には快適なスタジアムでも、プレーヤーからすれば当初はかなり戸惑いを感じたのではないだろうか。(参照)

30日(土)東京23FCのホームゲームを初取材@東京

 東京23FCというクラブの存在を初めて知ったのは、彼らが都リーグ1部だった11年の全社でのこと。その後も気になる存在ではあったものの、ようやく5年後のこの日にホーム・江戸陸での取材が実現した。長年、さまざまな土地のクラブを取材してきた私にとり、自分の地元である「東京」は実に新鮮な取材対象であり、それゆえに新著のラストを飾ることになる。(参照)

【8月】

1日(月)グエン・コンフォンの夕べ@水戸

 昨年からよく耳にするようになった言葉に「インバウンド」がある。かねてよりJリーグでもアジア戦略を推し進めていたが、ひとつの成果として注目されたのが水戸ホーリーホックの事例。今季より加入した「ベトナムのメッシ」、グエン・コンフォンを観光大使として、ベトナムからの観光客を呼び込むツアーを実施した。アイデアとしては非常に面白かったが、コンフォンは残念ながら定位置を確保できず。今後の去就が注目される。(参照)

20日(土)名古屋グランパス、小倉監督最後の試合@柏

 今季、「レジェンド」の小倉隆史氏を監督に迎えた名古屋グランパス。だが、5月4日の横浜F・マリノス戦以降はまったく勝てず、17試合連続未勝利のまま小倉監督は「休養」となった。ラストゲームとなった柏レイソルとのアウエー戦では、まったく感情の起伏が感じられず、会見でも声の抑揚が何とも不自然だったので、「これはまずいな」と思っていた。その後、名古屋は最終節でJ2に降格したが、小倉氏の消息は聞こえてこない。そろそろ元気な姿を見せてほしいところだ。(参照)

28日(日)丸亀での天皇杯1回戦@香川

 今年の天皇杯1回戦は、丸亀で開催されたカマタマーレ讃岐とFC今治の四国対決を取材。1−0という僅差で讃岐が勝利したが、それ以前に今治の攻撃から脅威が感じられなかったことが大いに不満に感じられた。実はこの試合のあと、今治の選手の間では「岡田メソッドにこだわりすぎるべきではないのか」という議論が起こったと聞く。彼らが真の意味で「型から解き放たれる」のは、ここから3カ月後の地域CLであった。(参照)

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