宇都宮徹壱ウェブマガジン

圧巻だったベトナムの「ワールドカップデビュー」 旅するカメラ(2017年5月22日@水原〜天安)

 大会3日目。韓国は好天が続いている。2泊した水原を離れて、これからは毎日が移動と撮影の日々だ。今日の目的地は天安。地下鉄で水原駅まで移動し、そこから列車に乗り換えたのだが、しばらくして反対方向の列車に乗っていることに気づいた。危ない、危ない。このまま気づかなかったら、ソウルまで行ってしまうところであった。永登浦という駅で降り、逆方向の列車に乗って天安に到着した時には、すでに13時を過ぎていた。

 忠清南道の天安市は、人口が60万人ほど。水原が大都会に思えるくらい、実にひなびた感じの地方都市である。今大会の6会場の中で唯一、2002年のワールドカップの開催地ではなかったのが、この天安。なぜ、この街が開催地に選ばれたのかについては、ちょっとした謎となっている。取材者として気になるのが、交通機関が限られてしまうこと。ホテルに行こうにも、なかなかバスが来ないので、今回の旅で初めてタクシーを利用することにした(ちなみに初乗りは280円ほど)。

 今回の宿も、いわゆるラブホを改装したのが明らかな内装であった。とはいえ、慣れてしまえば、それほど不都合を感じることはない。ちゃんと朝食も出るし、チェックアウトは12時までのところも多い。今回のように、毎日移動しながら取材をする場合は、昼まで電源が使えるのはありがたい。チェックインを済ませると、ベトナムのサポーターの集団にすれ違った。今日、彼らはニュージーランドと対戦する。U-20の大会だというのに、実に熱心なことだと、この時は思った。

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