「J2なくしてJリーグの発展なし」7月に発売予定の新著について
日曜日に韓国でのU-20ワールドカップの取材から戻り、すぐさま「平常運転」の日々を送っている。とはいえ、来週からはワールドカップ・アジア最終予選でイランに赴き(その前に国内でシリアとの親善試合がある)、帰国して4日後にはコンフェデレーションズカップの取材で今度はロシアに向かう。6月はほとんど日本にいないので、微妙にタスクが立て込んでいる今日この頃だ。
ところで今回の日本代表のリストに、ブルガリアのPFCベロエ・スタラ・ザゴラに所属している加藤恒平が選出されて、ちょっとしたサプライズとなったことは周知のとおり。ハリルホジッチ監督は、以前から「ブルガリアの加藤」について会見で言及しており、いずれ招集する可能性は十分にあると思っていた(さすがにこのタイミングだとは思わなかったが)。ここで私が問題にしたいのは、私の留守中にこういう報道(*音が出ます)がなされていたことだ。
加藤がいわゆる「スターダムに乗らなかった」選手だったのは事実である。しかしながら、言うに事欠いて「Jリーガーにもなれなかった男」という表現はどういうことだろう? 彼は東欧に渡る前、1シーズンのみではあるが(2012年)町田ゼルビアでプレーしている。つまり、間違いなくJ2の舞台に立っていたのだ。にもかかわらず、「Jリーガーにもなれなかった男」と煽るのは、いったいどういう了見なのだろうか。
私のように、アンダーカテゴリーを長年取材している立場からすると、J2は仰ぎ見るような存在である。しかし、どうやら世間的な見方は違うようで「J1にあらずんばJリーグにあらず」と思っている人は一定数存在する。そうした偏見と無理解を打破すると同時に「いやいやJ2がなかったら、現在のJリーグの発展はなかったんですよ」と声高に主張する書籍を、今まさに仕込んでいるところだ。タイトルは『J2&J3フットボール漫遊記』。版元は東邦出版で、7月初旬の発売を目指している。
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