宇都宮徹壱ウェブマガジン

灼熱の地で静かに燃える日本代表 WMフォトギャラリー(テヘラン篇)<1/2>

 今週はイランの首都・テヘランより、現地でイラクとのワールドカップ・アジア最終予選を戦う日本代表と現地の様子を、フォトギャラリー形式でお送りすることにしたい。

 といっても、テヘランでの日々は実に淡々としたものである。日本代表の練習開始は17時から。初日のみ全公開となったが、2日目以降はずっと冒頭15分のみの公開で、ボールを使った練習はほとんど見ることができなかった。練習後、ミックスゾーンで選手のコメントを拾って20時前には撤収、というのがいつものパターンである。

 取材に出る以外は、ホテルで仕事をしているのがもっぱらであった。観光しようにもテヘランを訪れるのは今回で4回目だし、今はラマダン(断食月)で昼間は外で食事もできないし、加えて日中は35度を超える猛暑である。とてもじゃないが、外出しようという気分にはなれない。そんなわけでテヘラン滞在中は、ホテルとスタジアムを行き来する日々が続いた。

 とはいえ、そんな日々にも少なからずの発見があるものだ。本稿では、テヘランの取材を開始した6月10日からイラク戦当日の13日までの出来事について、ほぼ現在進行形で皆さんにお届けすることにしたい。

【6月10日】

 成田からカタール経由で、19時間かけてテヘランに到着。国内で7日に同時多発テロがあり、不穏な空気が充満していると覚悟しての現地入りであったが、空港の警備はそれほど厳重ではなかった。街の風景も最後に訪れた2年前とさほど変わりなし。

 ホテルで荷物を下ろして2時間後には出発。今回の練習会場はテヘラン州のコッズ市という場所にあり、テヘラン中心街から車で45分ほどの場所にある。あまりにも遠いので、今回は現地ドライバーを雇って、同業者で相乗りすることにした。

 13日のイラク戦キックオフは現地時間16時55分ということで、トレーニング開始時間は17時に設定された。この時期、現地の日没時間は20時21分で、17時といえばご覧のとおりのカンカン照り。この日の気温は35度を少し超えていた。

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