日本代表に炎天下での試合を強いたのは誰か? イラク戦でのモヤモヤ感の正体について考える
テヘランでの4日間にわたる取材を終えて、帰国する機内にてこの原稿を書いている。現地で行われたイラクとのワールドカップ最終予選は、前半8分に大迫勇也のゴールで日本が先制したものの、後半27分に吉田麻也と川島永嗣の連携ミスを突かれて同点に追いつかれ、結果として1−1のドローに終わった。この結果、日本はサウジアラビアとオーストラリアに対して1ポイント差の首位をキープしているが、残り2試合はいずれも上位陣との直接対決(8月31日にホームでオーストラリア、9月5日にアウエーでサウジ)。依然として楽観できる状況でないことは明らかだ。
このイラク戦に関しては、取材から丸1日以上が経った今でもずっとモヤモヤしたものが残っている。それは単に「なぜあの場面で吉田がクリアしなかったのか」とか「なぜ原口元気を早々にベンチに下げてしまったのか」とか「なぜ本田圭佑をトップ下でなく右で使ったのか」といったディテールに関することではない。もっと根本的な問題として「なぜ気温37度の炎天下でワールドカップ予選が行われたのか」──その一点に尽きる。換言するなら、日本代表に炎天下での試合を強いたのは誰か? ということだ。
こちらのコラムでも書いたとおり、今回のイラク対日本の16時55分キックオフという時間設定は、どう考えても不自然であった。同日行われた試合は、いずれも日没後に試合が始まっている。また前日の12日、アザディ・スタジアムで行われたイラン対ウズベキスタンも、21時15分のキックオフだった(それでも選手たちは大汗をかいてプレーしていた)。にもかかわらず、気温37度の炎天下で試合を行うというのは、どう考えても狂気の沙汰であったと言わざるを得ない。
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