宇都宮徹壱ウェブマガジン

SNSがなかった時代のサッカーコミュニティ 20周年を迎えた『サロン2002』の思い出

 

 時節柄、ワールドカップ予選のコンテンツが続いたので、「息抜き」というわけではないけれど、少し違ったテーマでコラムを書いてみることにしたい。ちなみに本稿を書いているのは日豪戦が行われた8月31日。試合会場の埼玉スタジアムのメディア受付が始まる前に入稿する予定だ。果たして、本稿がアップされている9月1日、日本はワールドカップ行きを決めているのだろうか。それとも──。

 今週の『徹壱の日記』にも書いたように、先日『サロン2002』の20周年記念シンポジウムに参加してきた。といっても、このサロン2002がどのような組織なのか、ご存じでない方のほうが圧倒的に多いことだろう。日記ではあまり詳しく触れなかったが、実はこのサロン2002というNPO法人(当初は任意団体)、私のキャリア形成において非常に大きな影響を与えていたのである。今回は、そのあたりのことを記すことにしたい。

 まず「サロン2002」というネーミングについて。これは設立が2002年ではなく、ワールドカップ日韓大会が開催される2002年をひとつのマイルストーンにしようという意図が込められている(当時はそういうネーミングをよく見かけた)。設立されたのは、日韓大会の5年前の1997年。現在、NPO法人の理事長をされている中塚義実さんという方が始めた、月に一度のサッカーを中心とした勉強会がルーツである。

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