宇都宮徹壱ウェブマガジン

久しぶりに欧州予選に目を向けてみる 13枠をめぐる戦いとカタルーニャ問題

 日本代表がホームで「テストモード」の親善試合を行っている間に、ヨーロッパの予選はいよいよ大詰めとなっている。思えばアジア最終予選の間、他の大陸予選のスコアをチェックすることはあっても、わが身のことが気になって注意深く観察する余裕がなかった。幸い日本は世界で4番目に本大会の切符を手にし、その後はヨーロッパでもドイツやベルギーの予選突破がニュースになった。今回は、かつてないほど激戦となった欧州予選を俯瞰しながら、個人的に思うところを記すことにしたい。

 本稿を執筆している10月10日の時点で、開催国ロシア以外で本大会出場を決めているのは、ドイツ、ベルギー、イングランド、ポーランド、スペイン、セルビア、アイスランドの7カ国。これらの国々は、いずれもグループリーグの1位を確定させている(ベルギーはまだ1試合残っている)。セルビアの2大会ぶりの出場もうれしいが、この顔ぶれの中で最も新鮮味が感じられるのは間違いなくアイスランドだ。

 昨年のユーロ2016に初出場した時は「出場国拡大の恩恵を受けたアンダードッグ」と思われていたが、2勝1分けでグループリーグを2位突破すると、ラウンド16ではイングランドに2-1で勝利してベスト8進出を果たした。人口33万人の北欧の小国は、今予選でもトルコ、クロアチア、ウクライナをホームで破り、7勝1分け2敗の堂々たる戦績で史上初のワールドカップ出場を果たしている。今から13年前、レイキャビクでアイスランド対ドイツのユーロ04予選を取材した者としては、何とも感慨深い。

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