宇都宮徹壱ウェブマガジン

「全社枠廃止」のうわさが意味するもの いわきFCのJFL昇格は当面お預けか?

 福井で開催された全社(全国社会人サッカー選手権大会)の取材から戻ってきた。ピッチでの激闘の模様は、今週のフォトギャラリーでお伝えするとして、今回は「全社枠」についてフォーカスしたい。今大会は地域CL出場チーム(いわゆる「権利持ち」)が勝ち進んだこともあり、3日目の時点で全社枠のチームが決定(FC TIAMO枚方と松江シティFC)。奇しくもその日、「全社枠が廃止になるのではないか」といううわさがTwitter上で流れた。うわさの震源となったのは、こちらの記事だ。

 この福島民友の記事では、2回戦で敗れたいわきFCの今後について言及。「複数のサッカー関係者によると、来年の全社はJFL昇格を懸けた大会への出場権がなくなる可能性があるという。そうなれば、JFL参入に向けて各カテゴリーのリーグ戦を勝ち上がっていく必要がある」としている。

 いわきFCは福島県1部ながら、今年の天皇杯ではJ1の北海道コンサドーレ札幌を2回戦で破って話題になった。今年の全社ではアミティエSC京都にPK戦で敗れてしまったが、もしもベスト4進出を果たしていれば、全社枠を獲得して地域CL出場権を獲得。そこでも好成績を収めれば、一気にJFLへの昇格を果たす可能性があった。

 記事で言うところの「JFL昇格を懸けた大会への出場権」というのが、すなわち全社枠のことだ。最大3枠あり、地域CLに進出できなかった(つまり各地域リーグで優勝できなかった)チームは、全社枠を獲得するために5日連続のトーナメントでベスト4以上を目指す(いわゆる「全社懸け」)。もしも全社枠が廃止されれば、チャンピオンになれなかったチームの救済はなくなることになる。

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