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宇都宮徹壱ウェブマガジン

コバルトーレ女川の優勝と地域CL規約変更に思う 「日本サッカー界の発展」で犠牲になるのは誰か?

 11月26日の日曜日は、浦和レッズのアジア制覇の余韻とJ1残留争いの話題がタイムライン席巻する中、サッカーファンの注目を集めていたのがJ1昇格プレーオフと地域CLでのJFL昇格の行方であった。結果については、多くを語る必要もないだろう。J1昇格プレーオフ決勝に進出したのは、アビスパ福岡と名古屋グランパス。そして地域CLで優勝したコバルトーレ女川と準優勝したテゲバジャーロ宮崎が、来季のJFL昇格を決めた。それぞれに語られるべき「物語」がある中、本稿では女川について思うところを記すことにしたい。

 女川といえば、良しにつけ悪しきにつけ2011年の震災とセットで語られることが多いクラブである。私も震災直後にかの地を訪れていたら、そうした切り口から今回の彼らの戦いについて言及していたと思う。だが残念ながら私は、女川は震災の年に加藤久さん(当時、JFA復興支援特任コーチ)の車に同乗させていただき、車窓から壮絶な光景を目の当たりにするだけであった。結果として私が現地で取材した被災地のクラブは、福島ユナイテッドFCとソニー仙台となり、女川については一読者としてウォッチするのみ。そのまま6年もの歳月が流れた。

 その後、女川は昨年の東北リーグを制して地域CLに参戦するも、1次リーグで敗退。女川のプレーを見るのは今大会が初めてであった。ワイルドカードで初の決勝ラウンド進出を果たした東北チャンピオンは、当初は単なるアンダードックと思われていた(少なくとも私はそう思っていた)。ベンチ入りも含めた選手の平均身長は172.4センチ、平均体重は63.9キロと4チームで最も小さい(180センチ台の選手ひとりもいなかった)。またスタメン表に書かれた選手の前所属も「仙台大学」が最も多く、あとは「HBO東京」とか「いずみクラブ」といった地域リーグ以下のクラブがやたらと目に引く。チームを率いる阿部裕二監督が言うように、文字通りの「雑草軍団」である。

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