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コロンビア戦が行われるサランスクってどんなとこ? 改訂版『どこよりも早い!2018ロシアガイド』服部倫卓(文・写真)

 日本時間の12月2日未明、モスクワでワールドカップの組み合わせ抽選会が行われた。結果がすでにご存じのとり、日本はグループHに組み込まれ、コロンビア、セネガル、ポーランドと対戦することとなった。組み合わせそのものについては、まずまずだと思っている。初戦にコロンビアというのは、ちょっと厳しいようにも感じられるが、そこはハリルホジッチ監督の手腕とスカウティングスタッフの緻密な仕事に期待するしかないだろう。

 むしろ私がショックだったのは、日本戦の会場がサランスク、エカテリンブルク、ボルゴグラードに決まったこと。今年のコンフェデで訪れた都市がひとつも入っていないのも残念だが、それ以上に問題なのがサランスク。村上アシシさんがこちらの記事で指摘しているが、現地は非常にホテルの数が少ない。私も急いでネット予約を試みたが、すでにどこも埋まっていた。

 とりあえず、今後しばらくは「サランスクの宿問題」で頭を悩ませることになりそうだ。一方で気になるのが、セネガル戦が行われるエカテリンブルク、そしてポーランド戦が行われるボルゴグラードに関する情報も、実は意外と少ないこと(私自身はボルゴグラードには行ったことがあるが、今から17年前の話だ)。そこで今回、メルマガ時代に服部倫卓さんに連載していただいた『どこよりも早い!2018ロシアガイド』から、この3都市に関するコラムを蔵出ししてお届けすることにしたい。

 今回は、開催11都市の中でも特に情報が少ないサランスク篇。エカテリンブルク篇は12月3日(日)に、ボルゴグラード篇は4日(月)にアップ予定だ。なお、それぞれのコラムは2年前のものだが、古い情報については服部さんにリライトをお願いした。現地観戦を予定している、会員の皆さんのお役に立てれば幸いである。それでは服部さん、よろしくお願いします!

■訪問者にとって一番厄介なサランスク

 筆者はロシア経済の研究を生業としており、2018年のワールドカップの会場となる11都市はすべて訪問したことがある。そこで、日本の試合会場に決まったサランスク、エカテリンブルグ、ヴォルゴグラードの3都市の概要を、順次ご紹介していきたい。

 それにしても、初戦のサランスク、訪問者にとっては一番厄介な街に当たってしまったなというのが、実感である。空港はあるが、首都モスクワからの航空便はきわめて少なく、鉄道の利便性も高いとは言えない。

 そして、大問題はホテルである。2018年大会では、カザン、ニジニノヴゴロ、サマラ、ヴォルゴグラード、カリーニングラードなどでホテルの不足が懸念されているが、中でもサランスクの状況が最悪という点で、衆目が一致している。普段観光客が訪れるような場所ではないので、無理もない。大会直前に完成予定のものを含めても、市内のホテル客室数は1000に届くか届かないかというレベルらしい。

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