マスコットに折り鶴を選んだ切なる理由 キヅール立体化計画に込められた想いとは?<2/2>
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■キヅール立体化の製作費はくまモンの3倍弱?
――さて、キヅールの製作を担当したゼペットという特殊造形のスタジオですが、こちらに依頼した理由は何だったのでしょうか?
宮野 業界の知識がなかったので、まずはどういう業者があるのかを調べて、それからできる、できないを含めて問い合わせたんです。そうしたら2~3の業者さんから「ゼペットさんなら間違いないですよ」と言われたんです。そのアドバイスが大きかったです。
――なるほど。キヅールの場合、一般的なマスコットの着ぐるみと違って、かなり材質や製作方法も違っていたと思います。ゼペットのHPを見ると、特殊スーツや美術造形やロボットなど、広範囲な製作を請け負っているようですので、その意味でもベストなチョイスだったんでしょうね。
宮野 キヅールのボディは、建築素材の壁紙を国内外で探して、紙の質感でキヅールに合いそうなものを取り寄せていただきました。また、特殊な素材を使用していますので、非常に軽量かつ頑丈なものに仕上がっています。塗装に関しても、雨で禿げないように防水加工を施しました。それこそ足の部分のタイツも含めて、いろいろと材質選びにはこだわっていただきました。
――とはいえキヅールの立体化については、280万円かかったそうですね。くまモンの制作費が100万から120万ということですから、2倍から3倍弱のコストです。もともと経営的に厳しいクラブにとって、280万円をマスコットにつぎ込むことについては、相当なリスクがあったと思うんですよ。結論として、クラウドファンディングというソリューションを選択されるわけですが、これまでのマスコット製作ではほとんどなかったことですよね。
宮野 最初からクラウドファンディングありきで、われわれはプロジェクトを進めていました。実はわれわれの前に、岩手ビッグブルズという地元のBリーグチームが着ぐるみをクラウドファンディングで成功させていまして、300万くらい集まったんです。この時はほぼ地元からの支援でしたので、われわれもそこからヒントをいただいたというのが正直なところです。
――ところが「地元からの支援」を期待していたら、メディア露出と同様に全国から支援が集まったそうですね。44都道府県から1000人くらいのパトロンの寄付が寄せられたと。最終的にはいくら集まったんですか?
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