宇都宮徹壱ウェブマガジン

女川取材、そして執筆と新年会の日々 1月8日(月・祝)〜14日(日)

1月8日(月・祝)くもり一時雨@石巻~南三陸~女川

 7時起床。今日は成人の日。K向さんのご自宅で美味しい朝食をいただいてから、8時30分に出発。今回の旅では本当に東北の人々の真心に触れることができてありがたい。

 最初に訪れたのが、石巻にあるコバルトーレ女川の練習場。フルピッチの半分もない人工芝である。ここで11人対11人の練習を続けるうちに、緻密なパスサッカーの原型ができたそうだ。続いて、近くにあるスタジアムも遠巻きに撮影。今季のコバルトーレのホームゲームは、ここで行われるのだが、収容人数はどう見積もっても1000人が精いっぱいといったところだろう。

 いったん女川駅に立ち寄り、別行動だったちょんまげ隊の女子2名をピックアップ。次に訪れたのは、児童74人、そして教職員10人が亡くなった石巻市立大川小学校である。ここを訪れるのは7年ぶり。ちょうど遺族の方の案内で、30人くらいのツアー客が来ていたので、途中まで一緒に説明を聞いた。2階の教室の床が隆起していたのは、地震ではなく津波の水圧によるものであったことを初めて知る。

 ツンさんが最後に連れて行ってくれたのは、南三陸ハマーレ歌津。色とりどりのJクラブのフラッグが掲げられているのは、各クラブやそのサポーターからの寄贈らしい。古くなったフラッグは裁断され、ミサンガとして訪れたサッカーファンにプレゼントされるのだそうだ。ここでちょんまげ隊仙台支部のI井さんが合流。もうひとり、最近までフィリピンでプレーしていた現役プロ選手の方と一緒に、女川まで送ってもらうことになった。ツンさんたちはここでお別れ。本当にお世話になりました!

 I井さんの運転する車で、13時に女川に到着。おふたりとも仙台の出身で、復興後の女川を見るのはこれが初めて。「昔の面影はまったくない」というのが共通した意見だった。昼食に『おかせい』にて女川丼をいただき、それから女川のスタジアムに連れて行ってもらう。現役プロ選手の方は、ここで開催された中学の大会に何度か参加していたそうだが、仮設住宅が立ち並ぶ状況に往時の雰囲気とはかなり違って感じられたという。

 仙台から来てくれたおふたりと駅でお別れして、再びトレーラーハウスの宿にチェックイン。以後はずっと自室にて執筆を続ける。夕方からは雨が降ってきた。取材時はずっと天気が良かったのは幸運だったと言えよう。20時、プロムナードの一角にある居酒屋で夕食に定食をいただき、再び執筆。午前0時就寝。

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