書きたいことはあるけれど場所はなし 女川取材から戻ってきてから思うこと
まずは先週まで続けていた、女川取材から触れることにしたい。
今回は1月5日から10日まで、5泊6日の長丁場。国内取材にしては、かなり贅沢なスケジュールであった。たまたまインタビューのタイミングが6日と9日に分かれてしまい、コバルトーレ女川の始動も9日の夜から。「その間、退屈するかな?」と当初は思っていたのだが、女川での日々が発見の連続であったことに加え、ちょんまげ隊のツンさんたちとも合流できたのも幸いであった。
今回は顔の広いツンさんを通じて、さまざまな地元の人々と交流でき、また石巻や牡鹿にも足を伸ばすこともできた。同じ宮城県でも、女川と他の地域とでは、震災被害の規模も復興の度合いも微妙に異なる。同じ場所に留まるのではなく、少し距離感をもって眺めてみると、女川の特殊性というものが鮮明に見えてくる。そうした視点が得られたことも、今回の旅の収穫であった。
女川での宿泊は、エルファロというトレーラーハウスの一択だった。これは現地で知ったことだが、震災直後の女川は新しい宿泊施設を建てることは禁じられていたという。ただし移動可能なトレーラーハウスならば「問題なし」ということで、旅館業を営んできた被災事業者たちが共同出資して、エルファロをオープンさせた。当初は清水地区で営業していたが、現在は女川駅のすぐ近くに移転。跡地には、コバルトーレが使用する新スタジアム建設の計画もあるそうだ。
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