「Jリーグは大丈夫?」という疑問への回答 チェアマンへのインタビューで確信したこと
「ところで最近のJリーグは大丈夫なんですか?」
今年に入って、ふたりの方から立て続けにそんな質問を受ける機会があった。どちらも業界で名前も実績もあり、現在は海外を拠点に活動している日本人だ。「同業者」と言うにはいささか語弊があるが、それぞれのポジションから折に触れて刺激的な情報を発信し続けていて、しかも根底に「日本サッカー界の発展」への思いがあることで共通している。日本を拠点に活動しているサッカー関係者にとって、彼らの言葉は十分傾聴に値すると言ってよいだろう。
そんな彼らが、最近のJリーグのどのあたりに不安を感じてるのだろうか。ひとりは「本田圭佑や香川真司レベルの選手が、なかなか日本から出てきませんよね」。もうひとりは「Jリーグのグローバル戦略やIT戦略が遅れているように感じられるんですが」。要するに外から見ていると、最近のJリーグのやっていることが、どうにも歯がゆく感じられてならないようだ。なるほど、どちらももっともなご意見のように感じられる。しかし一方で、彼らの疑念については一定の留保が必要であろう。
最近、この仕事をしていて痛感するのが「国内と海外の状況をバランスよく見ること」の難しさだ。確かにわれわれは衛星放送によって、日本にいながら欧州フットボールのレベルの高さやスタジアムの熱気を「何となく」体感できるようになった。またインターネット情報の量と質も、ここ20年でかなり充実しており、その気になれば世界中のリーグの最新情報を「いくらでも」摂取することが可能だ。だが、この「何となく」と「いくらでも」が、実はクセモノであるように思えてならない。
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