宇都宮徹壱ウェブマガジン

「権威」となり、時代に復讐された心の師 アラーキーへの「#MeToo」問題に寄せて

 先週の月曜日以来、嵐のような日々が続いている。日本代表監督の突然の交代により、想定外の仕事が一気に増えて、さまざまなミッションが慢性的に後ろ倒しになっている。関係者の皆さんには、この場を借りてお詫び申し上げたい。

 プロの書き手として、締め切りは「守って当たり前」を旨としているのだが、今回に関しては締め切りの猶予を2回も申し出ることとなってしまった。はっきり言って屈辱である。本件の影響で「仕事が増えた」とか「バズった」などとSNSに書き込んでいる御仁をたまに見かけるが、なぜそれほど無邪気になれるのか私には理解できない。

 現在、私は米子にてガイナーレ鳥取の取材中である。だが、車窓に映る山陰の美しい風景を眺める余裕もなく、移動中はずっと執筆を続けていた。そんな中、今回は久々にサッカーから離れたテーマで書かせていただく。現実逃避をしたいからではない。今回の「青い巨塔」での問題とは別の意味で、自分の立場を明確にしなければならないテーマについて書かなければならないと思ったからだ。

 それは、かねてより心の師としてきた、「アラーキー」こと荒木経惟の「#MeToo」問題についてである。告発したのは、かつてアラーキーのモデルだったKaoRi.さん。詳細についてはこちらをご覧いただきたいのだが、それなりに辛い読後感となることをあらかじめお断りしておく。

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