宇都宮徹壱ウェブマガジン

フットボール批評「リニューアル案」の極私的考察 書き手と読み手が「ワクワク感」を共有するために

 国内では週2ペースでJリーグが開催され、インドネシアで開催されるアジア大会では、森保一監督率いるU-21日本代表が初戦を迎える中、「休める時に休もう」と思ってカミさんと九州の旅を楽しんでいる。現地ではJリーグをチケット観戦しているし、旅先から入稿しなければならない案件もあるにはあるが、普段の仕事からは一定の距離感を保ちながら旅を楽しんでいる。結果、自分の仕事や業界の課題について、少し引いた目線で考える貴重な機会となっているわけだが、今回はそこで考えたことを記したい。

 日記にも書いたが、バカンスに出る前にカンゼンの森哲也さんと『フットボール批評』(以下、批評)の今後について意見交換させていただく機会があった。森さんは長年にわたり同誌の編集長を務めてこられ、今年に入ってから体制の若返りのためにいったん現場を離れた。ところがこれが上手く機能しなかったようで、再び体制の見直しを迫られることになったそうだ(おそらく森さんが現場に戻り、誌面もリニューアルされることだろう)。そこで私も、長年にわたり寄稿させていただいた立場から、いろいろ意見させていただいた。

 その後、旅先でさまざまな風景をぼんやり眺めては、批評の今後についてあれこれ考えていた。もちろん私は、同誌に寄稿するいち書き手でしかない。それでも、初代編集長の半田雄一さんの時代(当時は『サッカー批評』)を知る数少ない書き手のひとりであり、批評という媒体と歴代編集長への恩義も感じている。その一方でネットメディアを主戦場としている身ながら、自分自身のキャリアを育んできたサッカー専門誌がこれからどうなっていくのか、かねてより気になっていた。結論には至っていないが、ネット全盛時代における紙メディアの可能性を探るという観点から、以下、批評の「リニューアル案」について記すことにしたい。

(残り 1856文字/全文: 2624文字)

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