ITとSNSが地方クラブの「働き方改革」を促進する! WMイベント「えとみほが考えるJ2改革とは?」<3/4>
残暑お見舞い申し上げます。
先週に続いて、6月1日に高円寺・スポーツ居酒屋KITEN!で開催された、宇都宮徹壱WMプレゼンツ「スタートアップが地方クラブを変える! えとみほが考えるJ2改革とは?」の第2部の模様をお送りすることにしたい。
第2部は「実践編」と言える内容で、予算が限られる地方クラブがITとSNSを駆使することで、どのような変化が期待できるかということについて、えとみほさんに語っていただいた。途中、福島ユナイテッドFCの竹鼻快GMにも議論に加わっていただき、より具体的な「地方クラブのお悩み」を提示していただいた。結果として、当事者による具体的な「お悩み相談」ができたことで、イベントそのものの説得力が増したように感じる。
その後、竹鼻さんからこんなツイートをいただき、さらに福島の公式アカウントでも活発な情報発信がなされるようになった。自分が企画したイベントが、このような具体的な動きにつながったことを考えると、今さらながらに「やってよかった」と思う。ご協力いただいた皆さん、そしてご参加いただいた皆さんには、あらためて御礼を申し上げたい。(収録日:2018年6月1日@東京)
<目次>
*JリーグはBリーグに新規顧客を奪われている?
*手っ取り早いブランディングは「見た目」
*「選手をインフルエンサーに」という考え方
*なぜJクラブはSNSを活用しきれていないのか?
*サッカーファンのSNSが広がらない理由
*優秀で発信力がある若者を集めるために
■JリーグはBリーグに新規顧客を奪われている?
──それでは第2部をスタートしたいと思います。最初のテーマはこちら。「ビジネスの観点から見えるJリーグの改善点とは?」。いよいよ本題に入っていくわけですが、ここでもえみほさんに3つのキーワードを挙げていただきました。まず「新規開拓(Bリーグ)」。これはどういったことでしょうか?
えとみほ 最近のJリーグ全体の課題として、「新規顧客の開拓」というものがあります。結構これが苦戦していて、全クラブで「どうやっていけばいいか」っていう会議をしたりしているんですね。そんな中、この4月に Bリーグのサンロッカーズ渋谷と千葉ジェッツの試合を観に行ったんですけど、とにかく女性客が多い! サッカーに比べてめちゃくちゃ敷居が低くて、誰でもすぐに手拍子で応援できてしまう。これはすごい、と思うと同時に「新規のお客さんをBリーグに持っていかれるんじゃないか」っていう危機感を覚えましたね。
中村 Bリーグに女性客が多い理由は明確で、女性のプレーヤーがサッカーに比べて多いからですよ。サッカー経験者は男性が圧倒的に多いけれど、バスケは男女がだいたい半々なんですね。部活でバスケをやっていた女性が観に来るので、Bリーグが「女性ファンを新規開拓した」というと、ちょっと違うと思うんですよ。
──なるほど。女性客が多いというのは、今の中村さんの説明で納得できるんですけど、客層が若いことについてはどうでしょう?
中村 Jリーグに比べれば、確かに客層が若いですけど、だんだん若者が行きづらくなるんじゃないかと思っています。というのもバスケは箱が小さいので、相対的にチケット代が高くなる傾向にあるんですね。Bリーグファイナルで3万円の席とかが話題になっていますけれど、そういう席を作らないとビジネスとして成り立たないんです。NBAのロサンゼルス・レイカーズなんかだと、100万円の席とか普通にありますから。
えとみほ それでもやっぱり、敷居は低いなって思いました。私みたいにバスケのルールを知らない人間が、フラッと見に行っても普通に楽しめたし。着ていく服は何色でないといけないとか、ここは素人が立ち入ってはいけないとか、そういうのがないんですよ。
──ひとつにはBリーグができてまだ2年だから、コアサポ化してないっていうのはあるかもしれないですね。そういえば栃木には、栃木ブレックスというBリーグの強豪チームがありますが、お客さんを取られているという意識はありますか?
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