宇都宮徹壱ウェブマガジン

ITとSNSが地方クラブの「働き方改革」を促進する! WMイベント「えとみほが考えるJ2改革とは?」<4/4>

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■なぜJクラブはSNSを活用しきれていないのか?

──ここで、第2部の飛び入りゲストの方をお呼びしたいと思います。福島ユナイテッドFCのGM、竹鼻快さんです。竹鼻さん、ようこそ福島からおいでくださいました!

竹鼻 とんでもないです。いわきFCの話になった時は、すごく肩身の狭い思いをしまして(笑)。帰ろうかと思ったんですけど、そのあとウチのポスターを褒めていただいて、「中村さんは、なんていい人なんだろう」と。

中村 これが忖度ですから(笑)。

──竹鼻さん、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?

竹鼻 はい。もともと仙台出身で、大学は東京なんですけど、たまたま新卒のタイミングで湘南ベルマーレのスタッフになることができました。フジタが撤退した直後で、潰しのきく若手が必要ということで、そこで運営から営業からマッチデープログラムからなんでもやらせてもらって、その後JFLだったガイナーレ鳥取にオファーをいただきまして。

──その時に私と出会っているんですよね。当時の竹鼻さんは31歳の若さでGMに就任されて、かなり異色の存在でした。その鳥取のJ2昇格に尽力されてから、今度は地域リーグだった福島をJFLに昇格させて、今に至っていると。最近でも、湘南との提携であったり、クラブとして農業に取り組んだり、いろいろユニークな活動を展開されていますよね。

竹鼻 そうですね、農業に関しては新規事業としてガチでやっています。ウチはいわきさんみたいに親会社はないですから、サッカーだけだとどうしても頭打ちになってしまう。チケット、スポンサー、グッズ以外での新しい収入ということで、まずはりんごの木を買い取って、選手・スタッフが生育から収穫発送まで行って『福島ユナイテッドFCのりんご』として販売したんです。そしたら、これがけっこう売れたんですね(笑)。それに味をしめて桃にも手を出して、ついには田んぼまで買ったという。まあ、チケット収入まではとても行かないですけど、売上の伸び率でいえば農業がナンバーワンです。

──そんな竹鼻さんですが、今回は「同じ地方クラブのGMとして、えとみほさんにお聞きしたいことがある」ということで、わざわざ福島からご参加いただくことになりました。具体的にどんなことを聞きたいのか、事前にキーワードをいただいております。まず1つ目は「情報発信」となっていますが。

竹鼻 先ほどもお話しましたように、ウチはベルマーレと提携したり、農業をやったり、他のクラブでは見られないような面白い展開をやっているんですけど、いかんせん発信ができていないんですね。経費がかけられないというのもあるけれど、戦略的なことも考えられるプロフェッショナルがいない。

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