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【無料公開】なぜ芥川賞作家は「J2」をテーマに小説を書いたのか?『ディス・イズ・ザ・デイ』津村記久子インタビュー<1/2>

「内巻さんの絵でアニメ化してほしい!」

──本書のカバーデザインも素晴らしいですね。footballistaでもおなじみの内巻敦子さんのイラストですけど、11のストーリーに出てきた全員が描かれているんですか?

津村 そうです、全員入っています。中には実在の選手をモデルにしているのもあるんですけど、見る人が見たらわかるかもしれないですね。

──この作品、内巻さんのイラストが非常にフィットしていると思ったんですが、彼女の起用は津村さんの希望だったんでしょうか?

津村 そうです。内巻さんは以前にも仕事をお願いしたことがあったんですが、昔から『Foot!』でのイラストが大好きだったんです! 最初は「お忙しいかな?」って思ったんですけど、オファーしたらOKをいただいたので嬉しかったですね。実際、内巻さんのイラストが主役みたいな連載だったので、お願いして本当によかったです。

──津村さんは大阪、内巻さんは東京。ある程度、リモートでやりとりはできるとはいえ、イラストと原稿の整合性を合わせるのはいろいろ大変だったのでは?

津村 そうですね。登場人物のイメージは、私の(連載)欄の担当さんを通じてお伝えして、上がってきたラフに対して「この人は女性らしく(髪型は)ハーフアップがいい」みたいな感じでリクエストして、すぐに描きなおしてくれるという感じで。あるいは、カバーに描かれているビールを持ったおじさんは「ひふみん(加藤一二三 )の髪をグレーにした感じで」みたいな指定もしていました(笑)。でも、こちらからまったく指定せずに、一発OKだったこともけっこうありましたね。

──ここまで描かれているんだったら、すぐにアニメ化できるんじゃないでしょうか?

津村 アニメ化してほしいです(笑)。このまま内巻さんの絵でお願いしたいですね。

──もうひとつ、内巻さんのお仕事で素晴らしいなと思ったのが、22チームのエンブレムがすべて描かれていることです。これも津村さんが指定されたんでしょうか?

津村 半分くらいは、小説の中での記述をもとに描かれています。川越シティとか、モルゲン土佐とか、桜島ヴァルカンとか。でも、倉敷FCとか、姫路FCとか、あと松江04とかはエンブレムに関する記述はなかったので、内巻さんが考えてくれました。

──ダメ出しみたいのがあったんですか?

津村 エンブレムに関しては全然なかったです。松戸アデランテロなんかは、「何かひとつだけポイント足せませんかね」みたいな相談が(連載)欄の担当さんからあって、「松戸の名物ってなんだろう?」っていろいろ調べたら梨だとわかって、それで梨を持った男の人がエンブレムに描かれているという(笑)。それでも大部分は内巻さんが考えてくれましたね。

──個人的に気に入っているエンブレムはどれですか?

津村 私はやっぱり伊勢志摩ユナイテッドですね。アコヤ貝の中に真珠が入っているんですよ。これっておしゃれじゃないですか(笑)。

──あと、マスコットもけっこう出てきますよね。個人的にはレッサーパンダがメガネをかけている鯖江の「つつちゃん」の造形が素晴らしいなと(笑)。

津村 マスコットについても、本当は「全チーム分を決めないと」って思っていたんですけど、途中から放棄していますね(笑)。もう、それだけで紙面が尽きてしまうので。ですから、マスコットが描かれていないチームもあります。本当は、22チーム全部で言及したかったですけどね。みんな自分のチームのマスコットが大好きですから。今回取材してみて、ものすごくそれは感じましたね。

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